2020 Fiscal Year Research-status Report
Feeding tolerance of Sargassum: study on regenerability of their receptacles
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20K15580
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
秋田 晋吾 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 特別研究員(PD) (80828195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホンダワラ / 生殖器床 / 再生 / 食害 / 磯焼け |
Outline of Annual Research Achievements |
千葉県館山市でオオバモクとノコギリモクを毎月5個体程度採集し,生殖器床と葉を100枚ずつ観察して,欠損数の有無を調べた。結果は,欠損率として%で求めた。欠損していた生殖器床では再生の有無も調べた。ノコギリモクの葉の欠損率については,形態の異なる先端と基部の葉の2箇所で計測した。また,採集したオオバモクの生殖器床を人為的に切断し,再生が認められるまでの期間を培養下で調べた。 オオバモクは7~10月に,ノコギリモクは7~11月に生殖器床が認められた。オオバモクでは葉の欠損率が0~79.0%(平均:19.2 ± 17.1%),生殖器床で0~100%(平均:24.9 ± 24.1%)の範囲で推移し,葉の欠損率については7月から10月に0から34.4%へと徐々に上昇した。ノコギリモクの葉の欠損率は,先端の葉で17.0~81.0%(平均:51.0 ± 17.6%),基部の葉で9.0~49.0%(平均:40.7 ± 8.9%)の範囲でそれぞれ推移したが,季節的な変化はみられなかった。生殖器床の欠損率は6.0~88.0%(平均:46.7 ± 22.5%)の範囲だった。欠損していた生殖器床のうちオオバモクでは0~100%(平均:24.9 ± 24.1%),ノコギリモクでは0~47.0%(平均:7.2 ± 9.9%)で再生がみられた。オオバモクでは葉と比較して生殖器床の欠損率が有意に高かった。以上から,オオバモクの葉を除き,欠損や再生には季節的な傾向が認められず,個体差による影響が大きいと考えられた。また,生殖器床の再生率は種による影響が大きく,これには生殖器床の形態が関係している可能性がある。 オオバモクの生殖器床を人為的に切断して再生するまでの期間を培養下で調べたところ,2週間程度で再生することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緊急事態宣言で研究の開始が遅れたものの,初年度に予定していた野外採集と培養を行うことができたため,順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はオオバモクの生殖器床を培養して加えて,切断の位置の違いによる再生速度に違いがあるか調べる。特に,生殖器床を柄まで切断しても再生可能か確認する。また,春に成熟するタイプの生殖器床と葉の欠損率についても調べる。感染症の蔓延により臨海実験所に長期滞在ができないため,状況が収まり次第,長期で滞在して摂餌実験を行う。
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