2021 Fiscal Year Research-status Report
Feeding tolerance of Sargassum: study on regenerability of their receptacles
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20K15580
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 晋吾 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80828195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホンダワラ / トゲモク / 季節的消長 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は晩夏から秋に成熟するタイプのホンダワラ類であるオオバモクとノコギリモクの生殖器床の再生状況を調査したため,今年度は春に成熟するタイプであるトゲモクの生殖器床の再生状況を4月から毎月10個体以上採集して調べた。なお,トゲモクについては,藻体の季節的消長についての文献が見当たらなかったため,生殖器床の欠損と再生の状況だけでなく,藻体の季節的消長についても調査した。 トゲモクでは5と6月の短期間のみで生殖器床の形成が認められた。オオバモクやノコギリモクの生殖器床では欠損の割合が高く,再生も認められたが,トゲモクでは生殖器床の欠損はほとんど認められず,5月と6月でそれぞれ5.6 ± 7.0%,14.1 ± 8.8%であった。また,欠損した生殖器床の再生については全く認められなかった。トゲモクが生殖器床を形成していた5月と6月の葉の欠損率は,18.2 ± 9.0%,27.5 ± 8.4%で,生殖器床よりも葉で欠損率が高かった。葉と生殖器床の欠損率が同等であるオオバモクやノコギリモクとは傾向が異なることがわかった。当初,ホンダワラ類に共通して生殖器床が被食しやすいと考えていたが,種によって異なる可能性が示された。これは,ライフサイクルの違いによる可能性が考えられる。 トゲモクの季節的消長を調べたところ,春に最大をむかえ,最大主枝長が徐々に減少した後,秋に最小となり,冬から主枝の伸長が始まることがわかった。これについて,生殖器床の欠損率や再生の観察結果とともに,学会でポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の途中に所属機関の移動が生じ,培養実験が予定通りに実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,オオバモクの生殖器床の再生率と欠損の程度を明らかにするために,7月頃からサンプリングを実施し,培養実験を開始する。
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