2022 Fiscal Year Research-status Report
Feeding tolerance of Sargassum: study on regenerability of their receptacles
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20K15580
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 晋吾 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (80828195)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホンダワラ / 季節的消長 / 再生 / 成熟 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ホンダワラ類の生殖器官である生殖器床の再生能力の解明を目指している。これまでに,千葉県館山市において本州の温暖域に優占するホンダワラ類であるオオバモク,ノコギリモクおよびトゲモクを通年採集し,それぞれにおいて生殖器床の再生状況を調べてきた。今年度は,培養により,生殖器床の再生能力を明らかにする予定であったが,一昨年末の異動に伴い,研究室のセットアップ,講義資料の準備,材料調達に関する下調べに時間を要し,ほどんと研究が進まなかった。そのため,やむなく研究期間を1年延期し,本年度予定していた実験を次年度に持ち越すこととした。 これまでに採集地点としていた千葉県館山市は,現在の所属から距離が遠く,新鮮な状態でサンプルを持ち帰ることが困難で あるため,函館市近辺でサンプルを採集することにし,函館市沿岸に生育するホンダワラ類を調べた。その結果,タマハハキモク,アカモク,エゾノネジモク,ヨレモク,ヒジキ,ウガノモク,フシスジモク,ミヤベモクおよびウミトラノオが採集できた。これらのホンダワラ類の中で,比較的生殖器床が大きく,培養により再生状況が観察しやすいヨレモクとエゾノネジモクを実験材料とすることに決めた。また,野外観察の結果,函館市沿岸では,ヨレモクは春から夏,エゾノネジモクは秋から冬に成熟することがわかった。函館沿岸は,寒冷な海域で生息する植食動物が異なるためか,これまでに館山市で認められていた生殖器床の欠損は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一昨年度末の異動に伴い,昨年度は研究室のセットアップや材料の採集地など調整や植生の把握に時間を要し,今年度は研究を進めることができなかった。また,当初予定していた材料の使用が困難であるため,函館近辺に生育しているホンダワラ類で培養実験を行うことにした。これらに伴い,研究期間を一年延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい環境で研究を実施することとなり,当初の計画で予定していた千葉県館山市での採集とサンプルの輸送に困難があることがわかった。現在の所属している函館市近辺の磯で入手できるホンダワラ類を利用し,生殖器床の再生に関する培養実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
所属機関の異動により研究環境の整備と材料の確保が困難で,研究が進めなかったため。残額についてはサンプル採集と培養実験の消耗品を購入するために使用。
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