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2020 Fiscal Year Research-status Report

水圏環境中におけるピロリ菌の生存戦略と潜在的病原性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20K15582
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

高橋 迪子  高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 日本学術振興会特別研究員(PD) (40868189)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsヘリコバクター・ピロリ / 水圏環境 / 生存戦略 / 病原性
Outline of Annual Research Achievements

初年度の進捗は以下の通りである。
(1) 海底堆積物からヘリコバクター・ピロリ由来配列を検出した
高知県浦ノ内湾において海底堆積物(0-15 cm深)を採取し、抽出したDNAをメタゲノム解析に供した。得られたリードを系統推定したところ、Helicobacter pylori由来配列が検出された。現在、H. pylori由来配列の系統解析を進めている。
(2) ヒト由来株の全ゲノム配列を決定した
水圏由来株との配列比較に使用するヒト由来株のうち、3401株の全ゲノム配列を決定した。3401株はヒト十二指腸潰瘍生検から分離された臨床株であり、バクテリオファージKHP30およびKHP40に感受性を持つ。したがって、今回得られた配列情報はピロリ菌研究のみならず、ピロリファージ研究にも有用であると考えている。現在、Microbiology Resource Announcementsに投稿するための準備段階にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究実績概要で述べたように、水圏由来試料(高知県浦ノ内湾にて採取した海底堆積物)からヘリコバクター・ピロリ由来配列が見出された一方、培養法を用いた単離には至らなかった。これと並行して、配列比較に用いる予定のヒト臨床株の全ゲノム配列を決定できたことは当初の研究計画を超えた進捗であるが、水圏環境由来株の単離という課題が残ってしまったため、進捗状況を「やや遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

次年度は水圏環境由来株を単離するために、培養系における損傷回復法の改良を試みる。最新の報告では、ヘリコバクター・ピロリが水圏環境で生存する戦略の一つとして、アメーバなど原生生物の細胞内にパッケージングされることで、自身の生残性を保っている可能性が示唆されている(Dey et al., 2020)。このことから、採取した試水を培養へ持ち込むまでのステップにも改良の余地があると考えられる。これらの最新知見を参照しながら、水圏環境からの培養法での単離を目指し、以降の配列解析・性状解析・ヒト由来株との比較へと展開したい。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は2点ある。
1点目に、次世代シーケンサーを用いて水圏環境由来株の解析を行う予定であったが、その前段階の単離まで至らなかったためである。2点目に、学会やサンプリングなどの出張予定が昨年度の情勢により困難であると判断したからである。
次年度使用額は、水圏環境由来株単離のための培養関連消耗品(培地、添加剤、培養器具等)ならびに単離株の解析費用(次世代シークエンス用キット、試薬、消耗品)、論文校閲・投稿料として使用する予定である。

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Published: 2021-12-27  

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