2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K15591
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
安田 健二 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水研機構(神栖), 研究員 (40866696)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クルマエビ / 活動音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、クルマエビの活動音を用いた新たな尾数計数手法の開発を行うことを目的としている。初年度は、安定したデータ取得のための実験環境の構築と録音・録画のデータ取得、そのデータの解析を目標とした。 クルマエビの活動を録画・録音するため、クルマエビを飼育する実験水槽と溶存酸素を確保するためのエアーを入れる飼育水槽をそれぞれ用意し、2つの水槽をサイフォンの原理を利用して接続し、実験用水槽の水を汲み上げ濾過し飼育水槽へ入れることで飼育海水の循環を行った。実験水槽と飼育水槽を分けることにより、録画データ取得時のノイズや光の反射を抑え、録音データ取得時の雑音対策を行った。さらに、クルマエビが夜間活動を行うため、録画には赤外線カメラを用いるとともに赤外線領域に帯域を絞ったLEDライトを実験水槽外部から当てることによって、夜間のクルマエビの活動を明瞭に録画できるようになった。集音マイクは、餌の直上に設置した。これにより、実験環境を構築した。 構築した実験環境を用いて、クルマエビが1尾と2尾(雌雄セット)の状態に分けて飼育実験を行い、夜間にLEDライトを灯した状態においても通常の飼育下と同様、摂餌や遊泳行動が行われていることを確認した。クルマエビの全長13-17cmのサイズを使用した。データ取得期間は10月~12月の3ヶ月間行った。これにより、クルマエビの摂餌や遊泳の他に脱皮行動の録画データ取得に成功した。また、鳴音などの特定音については音響データの解析から確認されず、少なくとも今回の飼育実験環境下では発さないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの世界的な流行に起因して、海外製の使用機材の購入が大幅に遅れた。そのため、初年度予定していた実験環境の構築と実験データの収集は遂行することができたがデータの解析に遅れが生じてる。
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Strategy for Future Research Activity |
データの解析をスピードアップさせて行うとともに、クルマエビの飼育数を増やした実験データ収集と自動で活動音の分類を行うためのデータセット作成とシステムの構築を行う。
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Causes of Carryover |
2年目の計画でアンプや水中マイクなど少し高額な予算を執行する予定であるため、残りを翌年度分として請求した。
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