2021 Fiscal Year Research-status Report
How do young farmers design "rurality"?
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20K15616
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 みずき 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (50802823)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 若手農業者 / 6次産業化 / 農村性 / 女性農業者 / 農業観 / 農村観 / 生活観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では課題を3点設定してあるが、そのうち、課題Ⅰと課題Ⅱを中心とした研究成果を著書を媒体として公表した。また、公表する研究成果の精度を向上するため、研究会を開催し、広く情報共有、意見交換の場を設定した。 課題Ⅰは、6次産業化により創出された商品やサービスの構成要素として「農村性」がどのように表現されているのかを明らかにすることである。若手農業者は農村地域の固有性ではなく、地域外のものをコンセプトやモチーフとして活用している点を特徴として捉えた。あわせて、商品開発を担う若者の価値や指向とともに明らかにした。課題Ⅱは、「農村性」を伝達する媒体であるインターネットツールの活用の様子からその特徴を捉えた。地域社会との集団性を伴う関係よりも、地域外の個人的なネットワークとの関係が強固であり、六次産業化において活用が進んでいた。これらから、世代の差を捉えることができ、従来の農村女性起業と六次産業化の違いを指摘した。 課題Ⅲについてはライフヒストリー調査は進めた。以上について、主に女性を中心として調査研究を進めた。これらの計画的な調査とあわせて、自給的な農業を志向する若者の様子も確認することができた。ライフデザインという点では6次産業化よりも生活的志向の高い彼らの生活から捉えることができると考えられた。またこうしたニーズが6次産業化において活用され、推し進める要因としても捉えることができそうであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初全国各地での調査を計画していたが、コロナ禍により、県内調査への切り替えを余儀なくされた。その点、事例を絞った調査に集中ができ、成果の公表にも注力することができた。一方で、地域差については分析ができていないため、この点は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、感染症対策を徹底しながら、調査を継続する。また課題Ⅲについては、ライフデザインという観点から調査を完了させ、最終年度として海外ジャーナルも視野に研究成果の公表に努める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、調査計画を変更したのが大きな理由である。そのため、使用計画としては遅れている調査の実施を進めるとともに、研究成果の公表を多角的に進める計画のもと、それに伴う諸経費に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)