2020 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental Study on Applicability of Crushed Stone Dehydrated Cake to Core Material of Small Earth Dams
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20K15622
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
鈴木 麻里子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50756658)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 砕石脱水ケーキ / 再資源化 / ため池コア材 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載した通り，研究1年目の令和2年度は「砕石脱水ケーキの物理，力学特性の把握（強度試験，透水試験）」に努めた．得られた結果は次のとおりである．①砕石脱水ケーキの外観は一般的な粘性土と類似していたが，塑性指数や最適含水比などの物理特性は大きく異なることが明らかとなった．②砕石脱水ケーキは，最適含水比，最大乾燥密度で最も大きな強度が発現せず，一般的な土質材料の締固め特性に基づいて定められた施工管理基準で取り扱えない可能性が示唆された．③砕石脱水ケーキは高い遮水性能を有しており，ため池遮水材や最終処分場の遮水工などでの有効利用の可能性が示された．④砕石脱水ケーキの一軸圧縮強度は含水比によって大きく変動することが明らかとなった．⑤三軸試験（CUバー）からは，強度定数（c=12.0 kN/m2，Φ=33.3°）が得られ，砂に近いせん断抵抗角を有することが分かった．得られた強度定数は，既存のため池遮水材と類似していることが分かった．
産出された状態の砕石脱水ケーキは含水比が約25％と高く，そのままでは十分な強度が発現せずため池遮水材としての利用が困難であった．よって，改質のために添加材料として，砕石工場から生産される砕砂や，副産される砕石粉，スクリーニングスなどを砕石脱水ケーキに混合し，各種力学試験を実施した．添加材種による大きな強度発現の違いは見られなかった．ゆえに，砕石脱水ケーキの含水比を低下させるために，均質に混合させることや最適含水比に近づけることが重要であると示唆された．
これらの研究遂行の結果，令和2年度は1編の学術論文（農業農村工学会論文集，88(2)，I_179-I_184）の投稿と1編の国内学会発表（第55回地盤工学研究発表会），学会誌（地盤工学会誌）や新聞記事（砕石新聞アグリゲイト）への執筆を実施し広く研究成果を公表した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍にあったにもかかわらず，交付申請書の研究実施計画に記載した1年目の内容はすべて実施できた．また，砕石脱水ケーキに添加する材料の検討も実施でき計画以上に進展したと考えられる．
多くの人に閲読されている学会誌や新聞に当該研究を紹介できたことで，興味を持っていただけた関係者からのコンタクトがあり，オンラインミーティングを通じて，さらなる研究の進展が期待できるような意見交換ができた．
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| Strategy for Future Research Activity |
研究2年目である令和3年度は，実施工へ向けた検討を行う．1年目の室内試験結果を踏まえ，最適配合をいくつか選定する．その後，大型混練機を用いて砕石工場内で，砕石脱水ケーキを混練し，改良された砕石脱水ケーキに対し各種，土質試験や力学試験を実施する．
研究1年目に対象とした砕石脱水ケーキは，近隣の砕石工場から副産される1試料のみであったが，令和3年度は，全国から母岩のことなる砕石脱水ケーキを提供いただける予定である．よって，岩種などが異なる砕石脱水ケーキに対し，各種試験を行い，砕石脱水ケーキを再利用するための知見を深めるとともに，ポートフォリオ化し，実用化へ向けた取り組みを進めたい．
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