2021 Fiscal Year Research-status Report
局所耕うん法の人工マクロポア内外の水分・ガス移動計測に基づく有機物蓄積効果の評価
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20K15623
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
徳本 家康 佐賀大学, 農学部, 准教授 (80445858)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 局所耕うん法 / 人工マクロポア / 選択流 / ガス移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の実施計画では,① 黒ボク土を用いた土槽栽培実験,② 人工マクロポアとSOM蓄積量の関係性,③ HP2プログラムによるSOM蓄積効果の評価を予定していた.その実施計画に対して,研究実績内容を以下に示す. I. 黒ボク土を用いた土槽栽培実験:局所耕うん法による密集根群下において,密集根群を伝う2次元の水分流れ,蒸散量およびCO2濃度変化を計測した.当初の計画とは異なり,CO2濃度の循環型計測システムを作成することで,人工マクロポア内のCO2ガスフラックスの変化を連続的に明らかにした. II. 人工マクロポアとSOM蓄積量の関係性:小型ワグネルポットを用いて,局所耕うん法の反復実験を行う.対照実験として,人工マクロポアの無い同様の反復実験も実施した.実験終了後,作物地上部・地下部の乾物重を計測し,強熱減量試験を用いてSOM蓄積量を定量的に評価した. III. HPxプログラムによるSOM蓄積効果の評価:1次元の水分・CO2ガス移動を扱うHydrus 1Dおよび有機物分解反応を扱うPHREEQCの結合プログラム HP1がある.本研究では,SOM蓄積効果を評価するために,まずは2次元の水分移動に焦点を当てた.Hydrus2Dを用いて,精度良く人工マクロポア内外の不飽和水分移動を計算させて,密集根群内外の水分移動の解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,独自に構築した水分・CO2移動計測システムを用いて,①人工マクロポア内外のCO2ガス動態の解明,②人工マクロポアの有無条件における作物地上部・地下部の乾物重およびSOM蓄積量の定量評価,③2次元に拡張したSOM分解モデルによりマクロポア内の流れを再現し,SOM蓄積効果の検証を行う. コロナの影響により,実施期間を1年延長したが,上記の目的 I, II, IIIを明らかにするため,研究を実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
SOM蓄積効果を明らかにするため,当初はCO2濃度の連続計測により,人工マクロポア内外のCO2濃度の動態を検討した.しかし当初の計画とは異なり,人工マクロポアの大きさに適した流量ポンプで循環させる計測システムを構築することとした.有機物分解には,CO2が発生するため,CO2ガス濃度計測を有機物分解の指標とした.ただし,CO2ガスは水に溶解し,微生物による有機物分解では酸素が利用させるため,酸素ガス濃度の連続計測システムの改良することとした. 実測データの取得に加えて,HPxを用いたCO2濃度の発生や移動について解析する.
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Causes of Carryover |
コロナの影響により,ガス計測の実験が滞り,当初の計画していた実験を完遂できなかったため。
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Research Products
(6 results)