2022 Fiscal Year Annual Research Report
農村地域の持続的発展に資する稲副産物を活用した緑化基盤材の開発
Project/Area Number |
20K15624
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
阿部 由麻 (島本由麻) 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70826601)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | アコースティック・エミッション |
Outline of Annual Research Achievements |
農業副産物であるもみ殻や稲わらを活用した緑化基盤材の構造材料の開発に取り組んでいる.本課題では,アコースティック・エミッション(AE)法を用いた構造材料の評価手法および植物の水ストレス評価手法を構築することを目的とする. 構造物を維持するためには,コンクリートの力学的特性や損傷度をコア試験により適切に把握する必要がある. 既往の研究では,圧縮応力場で検出されるAE法によって損傷度が評価されてきた.また,構造材料の破壊過程は,AEヒット,エネルギー,周波数などの様々なAEパラメータを解析することによって評価されてきた. 多くのAEパラメータが破壊過程の評価に有用であることは明らかであるが,最も有効なAEパラメータは特定されていない. そこで本課題では,圧縮破壊過程でのコンクリートの応力レベルとAEパラメータの関係をランダムフォレストによる回帰分析し,最も重要なAEパラメータを同定した. その結果,すべての波形を対象とするのではなく,クラスタリングによる波形抽出が有用であることおよび重要度の高いAEパラメータが示された. AE法を用いた植物起源弾性波の検出に基づく植物生理状態(水ストレス状態)の非破壊計測法の開発においては,実用化に際して,膨大なノイズ波の中から気泡運動起源と考えられる突発型AEの抽出する方法を検討した.検討の結果,アンサンブル学習によって,正解率85 %以上の高精度で判別できるとともに,判別に寄与するAEパラメータが明らかになった. 以上から,本課題では,構造材料の評価手法および植物の水ストレス評価手法における有用なAEパラメータを考慮できたとものと考えられる.
|