2021 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetics of Hemangiosarcoma - The Role of KDM2B and Generation of Hemangiosarcoma Mouse Model -
Project/Area Number |
20K15654
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青島 圭佑 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (90745069)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血管肉腫 / エピジェネティクス / KDM2B / ヒストンメチル化 / ヒストンユビキチン化 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでにヒストン脱メチル化酵素 KDM2B がイヌ血管肉腫増殖・生存に必須であることを明らかにしている.本研究では (1) KDM2B がこれらの役割を果たす上での詳細な分子メカニズムを明らかにすること,そして (2) マウス血管内皮細胞にKDM2B 過剰発現させてマウス血管肉腫モデルを作製することを目的とした. まず,(1) のKDM2Bメカニズム解析では KDM2B が DNA修復機構の働きを活性化し,これにより腫瘍細胞がアポトーシスを回避していることを明らかにした.また,KDM2B は血管肉腫においてヒストンユビキチン化 (H2AK119ub1 )を介して機能していることが明らかとなった. 次に (2) のマウスモデル作製では,マウス正常血管内皮細胞をマウス肺から分離し,KDM2Bを過剰発現させることで血管内皮細胞の腫瘍化を試みた.また,合わせてがん遺伝子である PIK3CA の過剰発現も同時に行い,血管内皮細胞の腫瘍化を試みた.しかし,いずれにおいてもマウス内で腫瘍は形成されなかった.そこで,既存のマウス血管肉腫細胞 (ISOS-1, UV♀2)を利用し,イヌ血管肉腫細胞との相同性を探ることで,比較研究に利用できるかどうかを検討することとした.その結果 ISOS-1 は通常免疫能を有する Balb/c でも造腫瘍能があり,形成された腫瘍もイヌ血管肉腫と類似の特徴を有していた.また,ISOS-1においても KDM2B が高発現しており,イヌ血管肉腫細胞と同様のメカニズムで機能していることがわかった. 以上より,本研究において KDM2B が果たすメカニズムを明らかにし,ISOS-1がマウス血管肉腫細胞として比較研究に有用であることを明らかにした.
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