2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of molecules involved in pathogenic mechanism and innate immune evasion of Streptococcus suis
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20K15658
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
黒木 香澄 (石田香澄) 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (80760272)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 豚レンサ球菌 / Streptococcus suis / 全ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
豚レンサ球菌 (Streptococcus suis)はヒトやブタに髄膜炎や心内膜炎を起こす人獣共通感染症起因菌である。しかしながら、本菌感染症の発症機序については不明な点が多い。昨年度までに行ったS. suis及び近縁菌種であるStreptococcus parasuisとStreptococcus ruminantiumの比較ゲノム解析から、S. suisとS. ruminantiumではS. parasuisに比べて糖代謝に関与する遺伝子数が多く、アミノ酸代謝に関与する遺伝子数が少ないことが明らかとなった。また、病原性を有するST型(ST1, ST7, ST28など)のS. suisクローンとS. ruminantiumには、宿主のグリコサミノグリカンを分解する酵素(ヒアルロニダーゼ、ヘパリナーゼ)と分解産物を取りこむPhosphotransferase system、分解産物を代謝するEntner Doudoroff経路の酵素をコードする遺伝子群が保存されていた。そこで本年度は、この遺伝子群が、他の37種のレンサ球菌にも保存されているかを調べたところ、ヒトの病原体である肺炎球菌やG群溶血性レンサ球菌などにも保存されていることがわかった。この結果から、本遺伝子群はS. suisとS. ruminantium以外のレンサ球菌における病原性や宿主への適応にも関与する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、これまでに見出したS. suis強毒株に特異的な遺伝子の欠損株または過剰発現株を作製して、これらの機能を明らかにする予定だったが未実施のため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によりS. suisの強毒株には機能未知の遺伝子が6個保存されていること、また病原性を有するS. suisとS. ruminantiumにはグリコサミノグリカン分解酵素などをコードする遺伝子群が保存されていることを明らかにした。今後は、これらの遺伝子の塩基配列・アミノ酸配列情報から機能を予測するとともに、欠損株または過剰発現株を作製して機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初に計画していたS. suis変異株の作製やそれらを用いた実験を実施することができなかったため、実験消耗品の支出が計画よりも少なくなった。次年度は、本年度に得られた研究成果をもとに計画した実験系(豚レンサ球菌の病原性や宿主適応に関与すると示唆される遺伝子の機能解析)に必要な物品を購入するために、次年度使用額を使用する計画である。
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