2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of ovarian reserve on primordial follicle activation and early follicular growth in cattle
Project/Area Number |
20K15672
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂口 謙一郎 北海道大学, 獣医学研究院, 客員研究員 (40867545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 牛 / 卵胞 / 卵巣予備能 / 体外発育培養 / 原始卵胞活性化 / 二次卵胞 / In vitro growth (IVG) |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣内の原始卵胞数は、卵子の受精能や性ステロイドホルモン分泌に関わる卵巣の潜在的能力 (卵巣予備能) と相関し、ヒトや牛の繁殖能力の指標となる。しかし、卵巣予備能が原始卵胞の卵胞発育への動員 (原始卵胞活性化) や、卵胞腔形成前の初期卵胞の発育に及ぼす影響は不明である。本研究は、牛卵胞の体外発育培養 (IVG) 技術を用いて、卵巣予備能が原始卵胞活性化と初期卵胞の発育に及ぼす影響を明らかにし、得られた結果を元に、発生能の高い卵子を生産可能なIVG系を開発することを目的として以下の検討を行った。 1)既報に基づき、牛の原始卵胞および二次卵胞のIVGを実施したところ、原始卵胞のIVGでは卵巣組織中に含まれる二次卵胞数は培養後に増加し、二次卵胞のIVGでは、培養後に卵胞直径が増大した。 2)培養系が確立できたため、胞状卵胞数が多い牛 (n=12) および胞状卵胞数が少ない牛 (n=12) から左右の卵巣を採取し、原始卵胞のIVGを実施した。これらの卵巣組織は固定・包埋済みであり、今後組織学的な評価を実施する。 3)二次卵胞のIVGにおいて、胞状卵胞数が多い牛由来の卵巣からは3.0 ± 2.0個 (平均値 ± 標準偏差) の二次卵胞が採取されたが、胞状卵胞数が少ない牛由来の卵巣からは 0.6 ± 0.9個の二次卵胞しか採取できず、安定して実験を遂行する上では、二次卵胞の採取法を改良する必要があることが示唆された。 4)使用済み培養液を用いて、卵子から分泌され、卵子発育に必須な成長因子である成長分化因子-9 (GDF-9) や骨形成タンパク質-15 (BMP-15) が市販のELISAキットにより評価可能かを検証した。GDF-9は全ての検体で測定可能であったが、BMP-15は検出されない検体が多数みられた。今後、免疫組織化学を用いた半定量的解析などの異なる手法を用いて定量が可能かを検証する。
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Research Products
(7 results)