2021 Fiscal Year Research-status Report
シングルセル解析による精巣性テラトーマへの分化運命決定機構の解明
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20K15690
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮嵜 岳大 京都大学, 医学研究科, 助教 (40826591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精巣性テラトーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
テラトーマは始原生殖細胞を起源とした3胚葉性の組織が無秩序に塊あった腫瘍である。テラトーマには、分化途中の細胞や時には全能性をもつ胚性癌腫細胞 (EC細胞)が存在し、分化した細胞を次々に作り出す。マウスでは精巣性テラトーマ形成に関連する遺伝子座が同定され(Youngren et al., Nature 2005)研究が 進んだが、なぜ正常な配偶子形成過程から逸脱し、3胚葉性の組織が分化するかはわかっていない。そこで、新たな視点から解析する必要がある。 これまでに行なってきたマウス胎仔精巣移植によってテラトーマの形成を誘発させる実験的精巣性テラトーマ(Miyazaki T. et al., Mammalian Genome, 2014; Miyazaki T. et al., Zoological Science, 2018)実験系を用い、シングルセルRNAシークエンス(ScRNA-Seq)解析によりテラトーマを形成するような稀な生殖 細胞のクラスタリングを行う予定であった。しかし、解析に耐えうるサンプルの回収が困難であり実施することができなかった。 しかし、所属の先行研究により明らかになっている遺伝子候補群とこれまでに同定した遺伝子とのテラトーマ形成について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シングルセルRNAシークエンス(ScRNA-Seq)解析によりテラトーマを形成するような稀な生殖 細胞のクラスタリングを行う予定であったが、解析に耐えうるサンプルの回収が困難であり実施することができなかった。 しかし、所属の先行研究により明らかになっている遺伝子候補群とこれまでに同定した遺伝子とのテラトーマ形成について解析を解析をおこなっており当初の計画よりは遅れているが、順調に解析は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに実施している解析を引き続き行い、テラトーマ形成に関与する関電遺伝子の絞り込みを進め、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルスを用いたスクリーニング系によりテラトーマ形成の原因遺伝子の同定を行う。
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Causes of Carryover |
本来計画していた、シングルセル解析を行うことが困難であり、他の研究手法に切り替えたため差額分を次年度に繰り越した。しかし、最終年度は原因遺伝子同定のための物品費の使用が増える見込みであるため、予定通りの使用が見込めると思われる。
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