2021 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ腸管陰窩におけるパネート細胞および腸上皮細胞の生理機能解明
Project/Area Number |
20K15694
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 謙 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30818604)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鶏 / 腸管上皮細胞 / パネート細胞 / 腸陰窩 |
Outline of Annual Research Achievements |
鶏のパネート細胞に関する報告はほとんどなく、その局在および腸管細胞への関与についても不明である。そこで申請者はこれまでに確認された腸上皮細胞マーカーおよびパネート細胞マーカーをターゲットとした解析を行うことで、パネート細胞の局在を明らかにし、生理学的役割を遺伝子解析から明らかにすることを目的とした。これまで、哺乳類で明らかとなっているパネート細胞マーカーである抗Lysozyme、CD24、Mmp7等の抗体による免疫化学組織染色(IHC)を試みたが、何れも陽性細胞が認められなかった。そこで、本年度では、マウスと鶏の腸管を用いてパネート細胞マーカーであるMPTX抗体によるIHCを行い、双方を比較したところ、マウスでは強いシグナルを示す陽性細胞が多数認められたが、鶏では弱いシグナルの細胞が数個しか認められなかった。鶏の腸管発達に重要であり、パネート細胞から分泌される可能性があると予想されたWnt9aをターゲットとしたIHCを行ったところ陽性細胞が認められた。しかし、鶏腸管は蛍光顕微鏡観察下における自家蛍光が強く、疑似陽性が疑われた。そこで、蛍光クエンチング試薬であるTrueViewおよび0.1%Sudan Blackの併用を試み、大半の自家蛍光を抑制することが可能となった。しかし、ターゲットのシグナルも減光され、陽性と疑似陽性の判断が困難であり免疫化学法によるパネート細胞の検出は不可能であった。そこで、シングルセル解析による遺伝子解析を試みた。鶏腸管からクリプトを採取し、細胞を分散させた後、抗EpCAM抗体とMiniMACS Separatorを用いて腸上皮陰窩細胞の回収を行った。その後、Smart Aliquotorによるシングルセル化を試みたが、2~3細胞の混入が避けられず、単細胞の回収法が課題となった。
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