2020 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌の染色体複製開始時における二重鎖開裂部位の再定義と新規関連因子の解析
Project/Area Number |
20K15717
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 麻梨子 九州大学, 薬学研究院, 助教 (60843787)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘリカーゼ / DNA複製 / 複製開始 |
Outline of Annual Research Achievements |
染色体DNA複製反応は、複製起点において二重鎖DNAを部分的に開裂して2つの一本鎖にすることから開始する。このため複製起点には多数のタンパク質が結合し動的な開始複合体を形成する。さらに複製起点で生じた一本鎖DNA には2分子の複製ヘリカーゼがそれぞれ反対方向に装着され、両方向複製の基盤となる構造を形成する。この原則は細胞性生物で共通だと考えられるが、比較的研究が進んでいる大腸菌においてすら、複製ヘリカーゼ装着の分子機構についてはいまだに大部分が不明である。大腸菌の染色体複製起点oriCは、複製開始タンパク質DnaAの結合配列(DnaA box)のクラスター領域(DOR)と、ATリッチな二重鎖開裂領域(DUE)とで構成される。さらに、DUEの外側にもATリッチ領域が存在している。DORはDnaA boxの配置に依存して左、右、中央の3領域に分かれる。左右それぞれのDOR領域ではDnaAが五量体となるサブ複合体が形成される。左DOR・DnaAサブ複合体はDNA屈曲因子IHFによるDNA屈曲と協調してDUEを部分的に開裂し、生じた一本鎖DNAと結合する。その後、ヘリカーゼローダーDnaCと複合体を形成した複製ヘリカーゼDnaBは、DnaA複合体との相互作用を介して一本鎖DNAに装着する。DnaBヘリカーゼ装着過程においては、DUE領域のみならず、隣接するATリッチ領域まで一本鎖化領域が拡張することも報告されている。しかしながら、その分子機構や意義については解明されていない。今回、右DOR・DnaAサブ複合体の特異的な機能を詳細に解析した。その結果、DnaBヘリカーゼ装着過程におけるoriC DNAの一本鎖化領域の拡張は、右DOR・DnaAサブ複合体に大きく依存していることが新たにわかった。この分子機構について解析結果を示し、生物種での共通性も含めその意義を考察してきた。
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Research Products
(1 results)