イネ科を含む被子植物におけるユニークな三量体Gタンパク質シグナル制御機構の解明

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20K15727
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 福田 昌弘 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (80827155)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 構造生物学

Outline of Annual Research Achievements

現在までに、発現コンストラクト、界面活性剤、精製buffer条件などのさらなる検討を経て、均一性の高い高純度のタンパク質試料をより高収量で得ることに成功した。この精製タンパク質を用いて、東京大学の所有するハイエンドクライオ電子顕微鏡を用いて画像撮影を行い、画像処理によって2次元平均クラス像を作成した。しかし、界面活性剤のミセルより突出したドメインがほとんど存在せず、粒子の正確なアラインメントをおこなうことができなかった。そのため、精製タンパク質をリポソームに再構成し、これをマウスにインジェクトすることで構造認識抗体のスクリーニングを行った結果、複数の構造認識抗体を得ることに成功した。さらに、この構造認識抗体を用いた精製タンパク質資料との複合体の形成を蛍光ゲルろかクロマトグラフィーにより確認した。今後は本スクリーニングで得られた抗体との複合体での構造解析を行う。また、電子顕微鏡像中では粒子同士が非特異的に集まり長い凝集体を作っていることが観察されたが、こうした凝集体の形成を防ぐ目的で、界面活性剤ではなく脂質二重膜環境への再構成を引き続き検討する。これまで既に、nanodiscのscaffold proteinとしてよく用いられるMSPタンパク質5種 (MSP1, MSP1E3, MSP1E3D1, MSP1D1, MSP2) の精製に成功している。今後はこれらMSPを用いて脂質の種類や目的タンパク質との量比、界面活性剤の除去の方法の検討を行った上で、電子顕微鏡を用いた単粒子構造解析を行う。