2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K15740
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
前田 深春 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40823422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分泌 / ER exit site / TANGO1 / Sec16 |
Outline of Annual Research Achievements |
分泌タンパク質は小胞体内で合成された後、小胞体出芽部位 (ER exit site)で形成される輸送小胞に積み込まれ、ゴルジ体を経て細胞外へ分泌される。細胞分裂期には、一時的にER exit siteが崩壊し、それに伴って小胞体からのタンパク質輸送が停止すること、分裂後期から終期にかけてER exit siteが再形成されるとともに、再び分泌が開始されることが報告されている。しかし、細胞周期依存的な分泌停止と再開の分子メカニズムは不明だった。 研究代表者はこれまで、コラーゲンの積荷受容体として先に単離したTANGO1が、その短鎖アイソフォームであるTANGO1SとともにSec16と結合することによって、ER exit siteの形成制御に関与することを見出してきた。昨年度までに代表者は、TANGO1のリン酸化状態がカゼインキナーゼ1とプロテインホスファターゼ1によって制御されていること、細胞分裂期において TANGO1のリン酸化が亢進することによって、Sec16との結合親和性が減少し、ER exit siteの崩壊が生じることを示した。これらの結果は、TANGO1とSec16がER exit site形成のトリガーとして機能することを示唆している。 本年度はマススペクトロメトリーを用いてSec16側の新たな制御因子の探索を試みた。解析にあたり内在Sec16の免疫沈降実験を行った他、複数の解析結果を組み合わせることで最終的に数十個の新規Sec16結合因子候補を絞り込むことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までにSec16のモノクローナル抗体や複数種の新規細胞株を作製することができ、その結果として、複数の手法によって調製した標品を元にしたマススペクトロメトリー解析を実施することができた。また最終的にSec16の新規結合候補因子を数十個まで絞ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度新たに見出したSec16の新規相互作用因子について、個別に発現抑制を行い、その際のER exit siteの形態や分泌に与える影響を精査する。
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Causes of Carryover |
当初の予定より、消耗品費および旅費が節減できたため。
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Research Products
(3 results)