2021 Fiscal Year Research-status Report
Spatiotemporal control system of spindle function by photoreactive kinesin
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20K15744
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岸 雅彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (30815501)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キネシン / 光制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核細胞に共通する細胞分裂装置である紡錘体の機能を解明するためには、紡錘体の構成要素であるモータータンパク質がいつ・どこで「力仕事」をするかを調べる必要がある。本研究では、光応答性タンパク質の構造変化を利用して、光照射により標的キネシンの運動機能のON/OFFを制御し、紡錘体形成におけるキネシンの活性を分裂中の特定時期や限られた場所で制御できる仕組みを構築し、キネシンの時空間的分子プロセスを明らかにすることを目的とする。 2021年度は、キネシンの運動機能を検討するため、引き続き細胞分裂に関わるkinesin-5、及びkinesin-14のモータードメインの3次元空間における運動活性を定量した。Kinesin-5においては、モノマーコンストラクトとその変異体の運動方向特性およびトルク特性を定量し、モノマーにおける運動方向制御の特性を明らかとし、その成果を国際誌で公表した。Kinesin-14においても、異なる種のkinesin-14や変異体の運動方向特性およびトルク特性を検討し、キネシンに共通する運動特性を見出し、加えてneck-mimic領域を運動支点とすることによりその運動方向を逆転できることを明らかにし、その成果を国際誌に投稿した。更に、キネシンの運動活性を光刺激で制御することで紡錘体形成制御を実現するため、kinesin-5の運動活性に影響を与えるcover-strand領域とneck-linker領域に、またkinesin-14においてはneck-mimic領域に光応答性タンパク質を融合させたコンストラクトを作成し、光刺激のON/OFFによりキネシンの微小管への相互作用能をイメージングにより定量するシステムの構築を進めた。また、光刺激に応答性のあるDNAコンストラクトを培養細胞で一過的に発現させ局所的に光刺激を行えるようなイメージングシステムの構築に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞分裂に関わるキネシンのモータードメインの運動特性の定量が進み、Kinesin-5においては、その成果を国際誌へ発表した。Kinesin-14に関しても、運動方向を決定する要因を特定し、国際誌に論文として投稿した。このように分裂期キネシンに関して十分な成果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
光制御タンパク質を融合させた複数のコンストラクトを用いて、新たに購入した光源で光刺激のON/OFFを行い、キネシンの微小管に対する結合能を定量する。作成したコンストラクトを培養細胞内で一過的に発現させるとともに、細胞に対して局所的に光刺激を行えるようなイメージングシステムの構築を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイスル感染予防・防止のため、研究室内での研究活動が制限されたため、当初の計画通りに研究が進まなかった。また、昨年度中盤以降、それまで使用していた光学顕微システムのファイバー光源が破損し、世界的な物流事情により、代替商品の納品が年度終了間際となった。この光源によって観察する予定であった光応答性コンストラクトの精製にかかる消耗品試薬、および、イメージングに必要な消耗品試薬を次年時に購入して研究を推進する予定である。
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Research Products
(2 results)