2021 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソームタンパク質取込機構におけるAAA-ATPase複合体の機能と構造
Project/Area Number |
20K15747
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
潘 東青 京都大学, 薬学研究科, 助教 (50710787)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ペルオキシソーム / タンパク質輸送 / AAA-ATPase |
Outline of Annual Research Achievements |
酵母やヒトなどの真核生物において、細胞小器官ペルオキシソームの生合成は、正常な細胞機能に必要不可欠であり、ペルオキシンと呼ばれる一群のタンパク質によって、緻密なコントロールのもとで実行される。それぞれのペルオキシンは細胞質で作られた新たなペルオキシソームタンパク質をペルオキシソーム内腔に取り込む際に異なる役割を果たすが、当研究ではAAA-ATPaseファミリーに属するPex1:Pex6複合体を中心としたレセプターリサイクル複合体の機能メカニズムを理解するために、出芽酵母のPex1p:Pex6p複合体の再構成と構造解析を目指した。 昨年度、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの発現系を用いてPex1p:Pex6p複合体の発現に成功し、その精製方法を確立した。本年度は高純度に精製したPex1p:Pex6p複合体のサンプルを用いて、Cryo-EM単粒子解析法による構造解析に取り組み、4オングストロームを切る分解能で三次元密度マップを取得することに成功し、得られた密度マップをもとにPex1p:Pex6p複合体の分子モデルを構築することができた。Pex1p:Pex6p複合体はPex1pとPex6pが1つおきに並び、3つのPex1pと3つのPex6pからなる六量体の複合体構造を形成していた。先行研究では不明瞭だったATPaseドメインの密度が観察でき、初めてモデル構築ができため、ATPの結合によって引き起こされるPex1p:Pex6p複合体の形成機構が明らかとなった。また、Pex15pの膜外領域を精製することに成功したため、精製したPex1p:Pex6p複合体と混合することで、Pex1p:Pex6p:Pex15p複合体が形成することを確認した。様々なPex15p変異体を作成し、結合実験を行うことで、Pex1p:Pex6p複合体とPex15pの相互作用に関わるアミノ酸配列を明らかにした。
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Research Products
(5 results)