2021 Fiscal Year Annual Research Report
Deciphering the intercellular signaling via extracellular vesicles by lipid-recognizing GPCRs
Project/Area Number |
20K15790
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
曽宮 正晴 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50788974)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / 受容体 / 細胞間情報伝達 / 細胞内シグナリング / GPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞から分泌される膜小胞である細胞外小胞が、細胞表面の受容体に結合して細胞内シグナリングを活性化する分子メカニズムを明らかにすることを目標に研究を行った。本研究によって、細胞外小胞や、細胞外小胞のモデルである人工脂質二重膜粒子リポソームの添加によって細胞内の特定の細胞内シグナルが活性化すること、その活性化が7回膜貫通タンパク質であるGタンパク質共役受容体GPCRを介していることを明らかにした。しかしながらヒトには嗅覚受容体を含めると約800種類のGPCRが確認されており、これらの中から細胞外小胞を認識して活性化するものを選抜することが必要であった。そこで本研究では、改変GPCRライブラリを使用したスクリーニングを実施し、数百種類のGPCRの中からリポソーム添加時に活性化するものを数種類まで絞り込んだ。また、リポソーム添加時に反応する細胞株と反応しない細胞株の遺伝子発現パターンを、公共のデータベースを利用して比較することで、候補GPCRの絞り込みを行った。これらの結果をもとに、細胞外小胞やリポソームに反応して細胞内シグナリングを活性化するGPCRを複数同定した。これらのGPCRが細胞外小胞を認識して細胞内シグナルを活性化することの生理的意義の解明や、表現系への影響の同定には至らなかったが、細胞外小胞が細胞表面のGPCRを介して細胞内シグナルを活性化するという新規の現象を同定し、細胞外小胞が関与する新たな細胞間情報伝達機構のメカニズムの一端を明らかにすることができた。
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