2021 Fiscal Year Annual Research Report
post-translational modification of a transcription factor GTL1
Project/Area Number |
20K15827
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柴田 美智太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (20734817)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 根毛 / シロイヌナズナ / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
「根毛」は、その名の通り根の表面に生えた毛のような組織である。根の表面積を拡大することで土壌からの栄養素の吸収に寄与し、生育する土壌の栄養条件に応じてその成長量(長さ)が厳密に制御されていることが知られている。 自分はこれまでの研究から、転写因子GTL1が根毛の成長を停止させる制御因子であることを明らかとした。一方、GTL1が何のために根毛の成長を抑制するのかという「生理的意義」と、どのようにしてGTL1の機能が調節されているのかという「分子機構」が明らかでなかった。 本研究ではまず、根毛の成長が抑制される環境条件の探索を行った。そして、通常の生育に使われるMS培地を2倍濃度にした2xMS培地で野生型のシロイヌナズナ(WT)を生育させると、植物は根毛の形成を強く抑制することを発見した。さらに、同じ条件下でGTL1機能欠損株(gtl1 df1)を生育させると、バルーン状の形態を持つ異常な根毛を形成することを発見した。この結果は、GTL1が2xMS条件における根毛形成の適切な抑制に必要であることを示す。さらに2xMS条件下で、根毛の成長促進に重要な転写因子RSL4の遺伝子発現量が、WTと比較してgtl1 df1では十分に低下していないことを見出した。この結果は、2xMS条件下でGTL1がRSL4を転写抑制することで根毛の成長を抑制することを示唆する。さらに、GTL1がRSL4の転写抑制する仕組みとして、GTL1がRSL4の上流にある転写因子RHD6と相互作用することも見出した。この結果は、GTL1がRHD6の機能を阻害することでRSL4の転写量を抑制していることを示唆する。一方、本研究ではGTL1がRHD6非依存的にRSL4の転写量を制御することも見出しており、GTL1はRHD6依存的、非依存的な2つの経路でRSL4を転写制御することが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)