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2020 Fiscal Year Research-status Report

甲虫類における前翅形態の多様性:捕食者防御と飛翔効率のトレードオフの解明

Research Project

Project/Area Number 20K15863
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

小島 渉  山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (70750462)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords甲虫 / 防御 / 捕食者 / 飛行 / 鞘翅
Outline of Annual Research Achievements

複数のコガネムシ科の昆虫を用い、鞘翅が鳥類捕食者に対する物理的防御機能を持つか検証した。室内ではウズラ、野外ではムクドリを捕食者として用いた。これらの捕食者に、鞘翅を除去した昆虫と無処理の昆虫を与え、捕食される確率を比べた。実験の結果、鞘翅は物理的防御機能を持つこと、その機能は特に下草が多いような複雑な環境下で強くなることが明らかとなった。また、一部の種はムクドリにすべて無視されたため、ムクドリは硬い種を記憶・学習し、忌避していると考えられる。しかし、一部の種のコガネムシ科では、無処理の個体もほとんど捕食されたことから、鞘翅の防御効果には種間での違いがあると考えられる。また、捕食を受けやすい種はそうでない種に比べ、薄い鞘翅を持っていることが分かった。なぜ鞘翅の厚さに大きな種間差が見られるのかを解明するために、体サイズや飛び方(鞘翅を開くか閉じるか)、活動時間などの生態的な条件と鞘翅の厚さの相関を調べた。しかし、鞘翅の厚さとそれらの生態学的な条件の間に明確な関係は見られなかった。鞘翅の厚さは系統の影響を強く受けており、ハナムグリ亜科は他のコガネムシ類よりもより熱い鞘翅を持つ傾向が見られた。現在は鞘翅の厚さを硬さの指標として用いているが、今後は硬さそのものを評価する予定である。また、特に野外での捕食実験をさらに行い、一部の種が捕食者から忌避される詳細なメカニズムについて検証する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

野外実験はやや当初の計画より遅れてはいるものの、室内実験は想定された以上に順調に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

2020年度に行ったムクドリを捕食者とした野外での実験から、シロテンハナムグリのようなコガネムシ類の一部が忌避されることが分かった。しかし、それらの種が、硬いという理由で避けられたかは明確ではない。そのため、さまざまな処理を施した被食者を用いることで、それらの種が避けられるメカニズムを今後調査する。また、2020年度は鞘翅の厚さを鞘翅の硬さの指標として便宜的に用いていたが、実際には硬さそのものを評価する必要がある。3Dプリンターで作成した鳥の嘴の模型を用い、昆虫を破壊するために必要な力を測定する予定である。

Causes of Carryover

必要な物品を過不足なく購入したものの、結果的に次年度使用額が発生した。2021年度に物品費として使用予定である

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 鞘翅の生態学2021

    • Author(s)
      小島渉
    • Organizer
      オンライン基礎昆虫学会議
    • Invited

URL: 

Published: 2021-12-27  

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