2021 Fiscal Year Research-status Report
夜行性カエル類における視覚と体色の多様化プロセスの解明
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20K15879
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
児島 庸介 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定研究員 (90793026)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分子進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、カエル類における適応進化の分子的基盤を明らかにすることを目的に、全ゲノム決定に着手した。ロングリードシーケンシングに用いる長鎖ゲノムDNAを得るために実験条件を検討し、最終的に平均配列長60,000 bp以上のクオリティの高いサンプルを得ることができた。得られたサンプルを用いて1種を対象にロングリードシーケンシング(オックスフォード・ナノポア・テクノロジーズ)を行い、クオリティの高いゲノム決定に必要十分なデータ量(ゲノムサイズの約50倍)を得ることができた。また、全ゲノムショートリードシーケンシング(イルミナ)を実施し、こちらについても十分なデータ量(ゲノムサイズの約50倍)が得られた。得られたシーケンスデータから全ゲノム配列を再構築するため、スーパーコンピュータを用いた新規アセンブリを開始した。また、解析に用いる他種のゲノムデータの収集およびアライメントを進めた。今回新たに決定するゲノムと他種のゲノムの比較によって、ゲノム進化パターンに関する新たな知見が得られることが期待される。また、形態計測、分光光度計を用いた測定等によって表現型データを収集した。表現型と遺伝子型のデータを統合することで、適応の分子的基盤や適応に関する新たな知見が得られることが期待される。また、これまでに結果が得られていたRNAシーケンシングの結果について種間比較の解析を行い、本研究の仮説を支持する結果を得た。この成果に関する論文を準備中であり、論文は国際学術誌に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた海外でのサンプリングは新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大に伴い実施できなかったが、国内のサンプルを元に実験を進め、必要十分なデータが得られている。また、新規ゲノムアセンブリの計算もスーパーコンピュータの共同利用により順調に進んでいる。さらに、昨年度得られた結果について新たな解析を行い、本研究の仮説をさらに支持する結果が得られた。以上の通り、計画の変更がありながらも実験・解析ともに順調に進められていることから、研究はおおむね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めている新規ゲノムアセンブリが完了した後速やかにゲノム進化パターンおよび適応の分子的基盤の解明に向けた解析に着手する。また、新型コロナウイルスの状況が改善され次第、海外でのサンプリングを再開し、種間比較の種数を増やすことで多様性の解明に取り組む。現在、5月にマレーシアでのサンプリングを行う予定で渡航に必要な手続きを進めている。
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Causes of Carryover |
予定していたマレーシアでの調査が新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大に伴い中止となったため、計上していた調査旅費は使用しなかった。また、新たなサンプルが得られなかったことから、実験・解析のために計上していた物品費・その他の費用についても、本年度の支出額は予定額より少なかった。この結果生じた次年度使用額と本年度分として請求した助成金を合わせて、新たなサンプリングと、得られたサンプルを用いた分子実験・解析、論文執筆を行う計画である。
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Research Products
(1 results)