2020 Fiscal Year Research-status Report
飼育実験によるマイクロプラスチックがメイオファウナに与える影響評価
Project/Area Number |
20K15883
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
北橋 倫 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 特任准研究員 (60713807)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メイオファウナ / マイクロプラスチック |
Outline of Annual Research Achievements |
直径5 mm以下のマイクロプラスチック(MP)は、海洋環境中の至るところに存在し、多くの海洋生物に誤飲・誤食されている。海水中に存在するMPは微生物付着の影響などより最終的には海底堆積物に蓄積される。海底堆積物中ではメイオファウナと呼ばれる小型底生生物が生態系内で大きな役割を担っているが、MPがメイオファウナに与える影響について検証した研究は皆無であった。そこで本研究では、MPがメイオファウナに与える影響を評価するために、寒天培地を用いたメイオファウナの飼育実験を行うことで、メイオファウナがMPを食べるのか、MPの状態やメイオファウナの食性の違いがMP摂食の有無や摂食量にどのような影響を与えるかを明らかにする。 本年度は、寒天培地(NGM:nematode growth medium)を用いたメイオファウナの室内飼育実験を確立することを目的とした。NGMは淡水生線虫(Caenorhabditis elegans)が、がんの「匂い」に誘引されることを使用したがん検査技術にも利用されており(Ueda et al., 2019)、NGMはメイオファウナの行動観察に有効であると考える。NGM(2% Bacto agar、5 Mりん酸緩衝液(pH 6.0)、1 mM塩化カルシウム、1 mM硫酸マグネシウム)を直径3 cmのガラスシャーレ内に作成し、その上でメイオファウナを約1週間飼育することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度はメイオファウナがMPを摂食するかを検証する予定であったが、コロナ禍による野外活動制限により十分な量のメイオファウナ個体を確保できず、MP存在下でのメイオファウナの飼育は実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者に協力を仰ぎ、メイオファウナ飼育に必要な試料を確保する。本年度予定していたMP存在下でのメイオファウナの飼育、化学物質吸着がMP摂食に与える影響についても調査する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による野外活動を含めた行動制限により野外調査や学会への参加ができなかったため次年度使用額が生じた。また、この影響で飼育実験を十分に執行できず、実験に使う試薬や消耗品の購入も滞ってしまった。 次年度は、研究協力者の協力で飼育に用いるメイオファウナ個体を確保することで飼育実験を進める。実験に必要な試薬・消耗品を購入する計画である。
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