2021 Fiscal Year Research-status Report
現代日本人の上腕骨頭の骨端線及び骨髄腔の死後CT画像評価による年齢推定の検討
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20K15889
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石井 名実子 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (10782386)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 法医学 / 年齢推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、死後CTを利用した上腕骨骨頭部における骨端線及び骨髄腔の観察による年齢推定法の検討のため、国際医療福祉大学医学部法医学及び千葉大学大学院医学研究院法医学教室における年齢・性別既知の法医解剖遺体に対しMultidetector computed tomography(MDCT)を用いて死後CT撮影を実施した。撮影された死後CT画像のうち上腕骨骨頭部に金属片の埋入あるいは骨折・骨病変・損傷等ある事例を除いた10代~90代までの男女、各年代それぞれ10事例ずつ計180事例の画像を抽出し、画像処理ソフトであるワークステーション(Synapse Vincent)を利用して2D及び3D画像上において解剖学的ランドマークを用いた上腕骨の骨頭部の垂直据断方法について検討を実施した。しかし、垂直据断面において骨端線が不明瞭である場合が多く骨髄腔においても境界が不明瞭である事例もあった。このため撮影されたCT画像に対し、ワークステーションを利用し、スライス幅の変更など上腕骨骨頭部の再構成画像作成の段階からさらなる検討が必要であることが明らかになった。それに伴いCTを利用した上腕骨の骨頭内部観察手技を記載した論文の検索を実施した。また、オンライン等で開催された学会に参加しCTを使用した骨測定方法に関する発表など情報収集を行った。 さらに昨年度から引き続き、本研究の死後CTを利用した上腕骨骨頭部の観察との比較のため、追加でさらに4事例に対し従来法で上腕骨頭を据断し肉眼的に骨端線及び骨髄腔の観察を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度も引き続き新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を含む社会情勢の影響によって、作業に支障が生じた。また、その他の業務及び研究が重なり本研究における進行が遅延してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で新たに設定したCT画像上における上腕骨の垂直据断方法を用いる際に、より骨端線及び骨髄腔が明瞭に観察できるよう解剖前に撮影されたCT画像の上腕骨部の抽出段階において上腕骨の骨頭内部の観察に最適な再構成の条件を検討し、上腕骨骨頭部における年齢推定が実施可能であるかどうかについて検討していく予定である。さらに10代~90代までの各年代の男女それぞれ10名ずつにおける上腕骨の骨頭部の骨端線及び骨髄腔の位置を観察し年齢との相関関係について検討した結果を国内の学会にて発表する。また、論文作成準備としてCT画像を用いた上腕骨内部の観察方法について記載された海外論文を検索し情報を収集する。
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Causes of Carryover |
社会情勢により開催された学会がオンラインであったため旅費が必要でなくなった。また、実施進捗状況が遅延しており、論文作成・校正まで進行することができなかった。次年度において学会発表経費等に使用する予定である。
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