2023 Fiscal Year Research-status Report
現代日本人の上腕骨頭の骨端線及び骨髄腔の死後CT画像評価による年齢推定の検討
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20K15889
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石井 名実子 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (10782386)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 法医学 / 年齢推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
上腕骨頭部の骨髄腔の位置の観察のためには、CT画像上における上腕骨の垂直据断方法だけでなく、横断面における骨髄腔の観察について検討する必要があると考えた。そこでまずは無作為に選んだ年齢性別既知の法医解剖15事例において解剖前に撮影したCT画像を、ワークステーション (Synapse Vincent)を用いて左右上腕骨それぞれをスライス幅1㎜間隔で再構成した画像を作成した。再構成画像において左右それぞれの上腕骨を長軸方向に対して平行に横断した骨頭部の横断面を末端部から骨頭部にかけて観察し、骨髄腔の最上端を確認(骨髄腔の位置)し、垂直据断方法における骨髄腔の位置の観察結果と比較検討した。この際、検査者内誤差をなくすため同一検査者が最低2週間以上時間を空けて左右上腕骨頭部をそれぞれ2回ずつ観察している。 結果として骨髄腔の位置の確認に関しては垂直据断方法よりも横断方法の方が観察しやすかった。しかし、事例によっては不鮮明な場合もあり、骨髄腔の位置確認は垂直据断方法並びに横断面における確認を併用することが望ましいと判断した。 一方で実際の肉眼所見の観察方法として法医解剖事例3事例において上腕骨頭部を取り出し、それぞれ5㎜~1㎝間隔で長軸に対して平行に据断し横断面を観察したが、据断面が粗造になってしまい観察は困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
業務が年々多忙になり、体調不良が継続している。また、研究における上腕骨の事例として適応可能な若年者層(20歳代)のサンプルが少なく、研究実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上腕骨頭のCT再構成画像にて横断面における骨髄腔の観察は可能であったが、骨髄腔の位置が曖昧な場合もあったため、より事例数を増やし、加齢との関係を検討する必要がある。 さらに、若年層(20代~30代)の事例が少数しかないため、引き続き若年層を中心に上腕骨のCT撮影事例を収集する。さらに横断面における骨髄腔の観察と平行して垂直据断方法による骨髄腔の観察及び骨端線の確認について男女別、年代別で実施し、年齢との相関関係について調査する予定である。また、ワークステーションでは骨髄腔の観察が困難である事例に対しては上腕骨CTのDICOM画像をimage Jなど無料ソフトを使用し横断面における骨髄腔の位置の観察も実施することを検討する。これらをまとめ、学会にて発表、法医学関連雑誌への投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
実施進捗状況が遅延しており、発表や論文作成まで進行できなかったため、次年度において発表、論文校正等に使用する予定である。
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