2021 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロンの軸索におけるオルガネラ間接触によるATP動態制御機構の解明
Project/Area Number |
20K15894
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
壷井 將史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20847123)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / プレシナプス / 小胞体 / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
神経活動下における神経細胞の恒常性維持は、ミトコンドリアによるATP産生経路に大きく依存する。しかしながら、プレシナプスにおいて神経活動とミトコンドリアによるATP産生を繋ぐメカニズムはほとんど分かっていない。近年、オルガネラ同士のクロストークがオルガネラの機能を制御することが明らかになってきており、特に小胞体とミトコンドリア間の接触はATP産生やカルシウムイオン濃度の制御等、細胞の恒常性維持に必須の役割を担うことから非常に注目が集まっている。そこで本研究計画では、小胞体-ミトコンドリアによるプレシナプスにおけるATP動態の制御メカニズムを明らかにすることを目指した。本年度は小胞体-ミトコンドリア接触がミトコンドリアによるATP産生制御に寄与するか検討した。マウス大脳皮質ニューロンにおいて小胞体-ミトコンドリア接触形成を担う因子をノックダウンしミトコンドリア(外膜)局在型ATPセンサーを発現させたところ、ニューロンの細胞体においてATPレベルが有意に増加する傾向が得られた。このことは小胞体-ミトコンドリア接触がニューロンにおけるATP産生制御に寄与する可能性を示唆している。さらに、synapto-pHluorinを用いて刺激依存的にプレシナプスからのシナプス小胞の放出を定量的に解析する手法の構築に成功した。本研究計画において構築に成功した系を用いて、小胞体-ミトコンドリア接触がプレシナプスの活動にいかに関わるか現在検討を行なっている。
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