2020 Fiscal Year Research-status Report
高頻度チロシンリン酸化MAP1Bによる神経成長円錐のアクチン骨格制御機構の解明
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20K15897
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 泰行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70710573)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 成長円錐 / 軸索伸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、チロシンリン酸化活性が高いことが知られる発生過程の脳において、特に高頻度にチロシンリン酸化されることを見出した微小管結合タンパク質MAP1Bが神経成長円錐の形態制御に関わるという申請者の仮設を検証するものである。 本年度では以下の研究を遂行した。 マウス胎仔・大脳皮質由来の初代培養神経細胞を用いて、神経軸索伸長過程におけるMAP1Bのチロシンリン酸化による影響を検討した。リン酸化変異体MAP1B(疑似リン酸化型、または疑似非リン酸化型MAP1B)を過剰発現させた神経細胞において、軸索先端の成長円錐の形態に異常が見られたことから軸索伸長の評価を行ったが、過剰発現系においては顕著な差が見られなかった。しかし、内因性のリン酸化変異体MAP1Bノックインマウスを用いた解析では、軸索伸長が顕著に促進される結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内因性MAP1Bのリン酸化変異体を用いた解析から、チロシンリン酸化MAP1Bが神経成長円錐の形態制御や神経軸索伸長に関わることを確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
内因性MAP1Bノックインマウスを用いてin vivo (in utero)での軸索伸長評価を行う。またノックインマウスの組織学的、形態学的な解析を進めると同時に、微小管やアクチン骨格との相互作用の仕方について解明を進める。
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