2022 Fiscal Year Annual Research Report
周産期におけるオキシトシン神経回路の構造・機能的イメージング
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20K15907
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
幸長 弘子 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (30729207)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メスマウス / 神経活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
分娩は胎盤、胎児を含む子宮の内分泌系と母体の脳神経系との協調的なネットワークによって制御されているが、周産期の母体の神経回路における変化の動態やその機能解析に踏み込んでいる研究はまだ少ないのが現状である。 オキシトシン(OT)のパルス放出は、分娩中の子宮収縮や授乳中の乳汁放出を仲介している。これらのパルスは、視床下部の室傍核および視索上核に存在するOT神経の独特な活動パターンによって生成される。従来の研究では、麻酔下でのラットやウサギのin vivo extracellular recording技術を用いて、推定されたOT神経を特徴付けてきた。しかし、これらの研究では、技術的制限のために、OT神経の同定は、その電気生理学的特性や下垂体後葉への軸索投射に基づくものであり、OT遺伝子発現に基づくものではなかった。下垂体へ投射する他の視床下部神経の中からOT神経の活動を特定し、細胞種類特異的な神経科学技術をより効果的に利用するためには、分娩と授乳の研究のためのマウスモデルを開発する必要があった。 本研究では、マウスを用いたウイルス遺伝子学的アプローチを導入し、ファイバーフォトメトリーによってOT神経の母性活動を特徴づけた。授乳中には、3匹の子ネズミから同時に吸引刺激があった520秒後に、OT神経の明瞭なフォトメトリーのピークが現れた。ピークの振幅は、子ネズミの年齢に関係なく、母ネズミが授乳を経験するにつれて増加した。これは母親のOT神経の固有の可塑性を示唆している。また、OT神経への単一シナプス入力マップに基づいて、分界条床核の抑制性ニューロンを薬理遺伝学的に活性化させることで、OT神経の活動の抑制を見出した。 2022年度は成果をまとめ、学術誌に発表した。
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Research Products
(3 results)