2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of mPFC-pPVT neuronal circuits involved with juvenile social experience
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20K15935
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山室 和彦 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60526721)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前頭前野 / 視床室傍核 / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
幼少期の社会経験は脳の発達に極めて重要であり、幼少期の社会経験の欠如は、特にヒトや他の種の内側前頭前野(mPFC)において様々な行動障害や脳機能障害を引き起こす。私たちはこれまでの研究で、離乳直後から2週間の幼若期の社会的隔離が、成体マウスのmPFCにおいて、前頭前野-後部視床室傍核回路に機能障害が生じ、ハロロドプシンとワイヤレスオプトを用いた同神経回路特異的な抑制によっても社会性障害が認められることが分かった。また、幼若期の社会隔離で障害されている同回路をオプトジェネティクスを用いて特異的に活性化させることで幼若期隔離マウスの社会性障害を改善させることを見出した。過去の知見において、後部視床室傍核にはオキシトシン受容体のある細胞が豊富にあることが分かっているため、本研究課題としては後部視床室傍核のオキシトシン受容体のある細胞に焦点を絞り研究を遂行している。そのため、まずOxtr-creマウスでiDREADDを用いて、後部視床室傍核のオキシトシン受容体のある細胞を特異的に抑制したところ、3chamberを用いたタスクで社会性の障害が生じることが分かった。一方で、OFやEPMでは差がなく、活動量や不安には問題がないことを確認した。さらに、AR-LABO(複数匹マウスの同時行動解析)を用いてフリームービングで行動を観察したところ、後部視床室傍核のオキシトシン受容体のある細胞を特異的に抑制したマウスでは自ら新規マウスに接触する回数が低下し、一方で新規マウスから接触される回数は増加していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概ね実験は完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
論文を作成し、投稿する。
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Causes of Carryover |
研究がおおむね終了したため。さらにこの研究の発展のため、ファイバーフォトメトリーの実験を行うための経費とする。
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Research Products
(8 results)