2022 Fiscal Year Annual Research Report
恐怖記憶形成過程における神経ガイダンス分子の複合効果機構の解明
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20K15937
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
實木 葵 (高橋葵) 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80760074)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セマフォリン |
Outline of Annual Research Achievements |
恐怖体験に関する記憶は危険を予知する上で必要な機構であるが、過剰な恐怖記憶の形成とその記憶の固定化は恐怖反応と関連した精神疾患の一因となる。通 常、適度な強さの恐怖記憶を形成するには恐怖学習に伴った記憶の形成と過剰な恐怖を抑制するための機構が必要であると考えられている。また恐怖学習は脳の 広範囲の領域を活性化することが知られている。しかしながら、未だ恐怖記憶形成と過剰な恐怖を制御する神経回路の分子機構は明らかではない。 通常、動物 が学習・記憶が形成する際に経験依存的にグルタミン酸受容体の一つであるAMPA型受容体がポストシナプスに移行し、シナプス応答を増加することに より回路 が強化されることが知られている。これまでに我々は分泌型神経ガイダンス分子セマフォリン3A (Sema3A) がシナプス可塑性の調節を担い記憶・学習の 形成に おいて重要であることを明らかにしてきた。 神経ガイダンス分子は、1分子だけの効果でなく複数のガイダンス分子の制御により標的領域に投射もしくはシナプ ス形成を誘導している。したがって、神経ガ イダンス分子の複合効果が破綻することが投射異常やシナプス形成の障害を誘導すると予想される。 そこで本研究 計画では、恐怖記憶形成時において可塑性を促進するSema3Aとシナプス刈り込みの作用があり、神経活動依存的にAMPA受容体を細胞内へ取り込むことが明らかに なっているSema3Fを標的に各脳領域の活性化領域または抑制領域を同定し、恐怖記憶形成と過剰な恐怖を制御する神経回路を明らかにする。
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