2020 Fiscal Year Annual Research Report
連続第四級不斉炭素中心の短段階構築を基盤としたハイブリッド型中分子の網羅的合成
Project/Area Number |
20K15947
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古田 未有 東北大学, 薬学研究科, 助教 (40819299)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インドールジテルペン / 光酸化還元触媒 / カスケード反応 / 生物活性天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、単純な構造の低分子化合物を中心とした創薬が行き詰まる中、複雑な骨格の天然物をモチーフとした中分子化合物が注目されている。中でも、生合成的に異なる系統の化合物によって構成されるハイブリッド型中分子化合物は、それぞれが持つ元来の生物活性とは異なる活性を示すことが期待されている魅力的な医薬シーズである。本研究では、多環性インドールアルカロイドとジテルペンのハイブリッド型化合物に着目し、未だ開発されていない高酸化型多環性テルペン骨格の短段階合成法を創製し、創薬研究に貢献し得るハイブリッド型生物活性化合物の網羅的迅速合成を目指した。 本年度は、リゾバリンFをモデル化合物とし、ハイブリッド型化合物の多環性テルペン骨格に共通する連続第四級不斉炭素中心構築法の創製およびインドールとジテルペンの連結法の開発を行った。まず、これまでに報告している光酸化還元触媒を用いるシクロプロパン構築法の最適条件を確立し、多様な官能基や置換様式を有する二環性シクロプロパンを合成した。開発した手法は連続第四級不斉炭素中心や多様なテルペン骨格構築の足がかりになるのみならず、ラクタム合成にも適用可能と考えられる。 さらに、インドールとジテルペンの連結法開発のため、エチニルアニリンからカチオン性金触媒を用いるカスケード型環化により、リゾバリンFのABC環部に相当するシクロペンタインドール骨格を構築した。本手法はリゾバリンFやさまざまなハイブリッド型化合物の合成に応用できると考えられる。
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