2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Drug Delivery Systems Based on the Cellular Transport Mechanism of Fatty Acids via Monocarboxylate Transporters
Project/Area Number |
20K15975
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山本 法央 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (20753784)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪酸 / HPLC-MS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,多種多様な脂肪酸の構造的特徴を認識する生体機構を利用したドラッグデリバリー技術の創製を目指している.2020年度は脂肪酸分析法の開発を目的として,HPLC-MSを用いた飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の一斉分析について検討した.HPLC条件として,移動相組成,イオン化促進剤の種類,分析カラムなどの測定条件について最適化を図ったところ,移動相はメタノール/5 mmol/L酢酸アンモニウム混液(95:5, v/v)とし,流速は0.4 mL/minに設定した.カラムはCOSMOSIL Cholester Packed Column(内径3 mm,長さ150 mm,粒子径3 μm)を用いて,カラム温度は40℃とした.MS部のイオン源はエレクトロスプレーイオン化法(ESI)とし,ネガティブイオンモードで各脂肪酸の脱プロトン体[M-H]-をモニターした.上記の測定条件でプロピオン酸(C3)~リグノセリン酸(C24)などの飽和脂肪酸(計13種類)及びパルミトレイン酸(C16:1)~ネルボン酸(C24:1)などの不飽和脂肪酸(計13種類)を含む標準溶液を測定したところ,20分以内にすべての脂肪酸を検出することができた.ただし,異性体であるα-リノレン酸(C18:3,n-3)とγ-リノレン酸(C18:3,n-6)の分離は達成できなかった.続いて,本法の分析能パラメーターを評価したところ,0.1~100 μg/mLの範囲において,相関係数0.984以上の良好な直線性が認められた.また,ピーク強度の相対標準偏差(n=6)は0.3~12.5%の範囲であった.本法の定量限界(S/N=10)は0.4~70.0 ng/mLであり,生体試料などに含まれる脂肪酸含量を定量するのに十分な感度を有することが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度はHPLC-MS法による脂肪酸の分析条件の検討及び分析能パラメーターの評価について実施し,構築した分析法が生体試料中の脂肪酸を定量するのに十分な分析能を有していることを明らかにできたことから概ね計画通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進捗していることから,2021年度はモノカルボン酸トランスポーターの遺伝子クローニング及びリコンビナントタンパク質の調製を行う予定である.
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Causes of Carryover |
実験に供した一部の試薬及び消耗品については,申請者が所属する研究室が既に所有していたものを使用することができたため,新たな物品の購入が当初の計画よりも少なく,そのため次年度使用額が生じた.2021年度の研究計画は,2020年度の実験内容と大きく性質が異なるため,実験系の構築に取り組む過程において,既に新しい試薬及び消耗品を追加購入する必要性が発生しており,当初計画に加えて使用する予定である.
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