2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanisms of bortezomib resistance in multiple myeloma and strategies to overcome them
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20K15978
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
高橋 知里 同志社女子大学, 薬学部, 特任助教 (70833680)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロテオミクス / メタボロミクス / 多発性骨髄腫 / ボルテゾミブ |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性骨髄腫治療の主要なkey drugの1つであるボルテゾミブは、初発・再発例を含めて幅広く使用されている。しかし、ボルテゾミブの耐性・不応例が臨床の現場で顕在化してきている。本研究は、ボルテゾミブ耐性骨髄腫細胞株を用いたタンパク質および代謝物の網羅的解析により、プロテアソーム阻害薬の耐性機序に重要なシグナル伝達経路を明らかにすることを目的とする。 本年度は、ボルテゾミブ耐性機構を解明するためのメタボローム解析のために、昨年度構築した超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析計 (SFC/MS) を用いたリン脂質(グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質等)測定系に加え、エーテル型脂質等、リン脂質の中でも、比較的存在量が少ない55種類のminor脂質を対象に、SFC/MSを用いた定量系を構築した。 本定量系を用いて、ボルテゾミブ&デキサメタゾン療法(BD療法)治療前の多発性骨髄腫患者の血清中のminor脂質分子種を測定した。得られた結果について、Jonckheere-Terpstra Testを行ったところ、エーテル型ホスファチジルコリン分子種の発現量が治療奏効性と有意に相関していることがわかった。また、ボルテゾミブ耐性骨髄腫細胞株とその親株のプロテオームおよびメタボローム解析のための細胞培養を開始した。プロテオームおよびメタボローム測定に必要な細胞数の検討及び、それぞれの測定のための試料抽出の検討も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SFC/MSを用いたminor脂質の測定系の構築とボルテゾミブ&デキサメタゾン療法(BD療法)治療前の多発性骨髄腫患者血清中のminor脂質分子種の測定を行い、いくつかの治療奏効率と相関する脂質を見出したが、ボルテゾミブ耐性骨髄腫細胞株を用いたシグナル伝達系の同定に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きボルテゾミブの感受性に係るシグナル変動をボルテゾミブ耐性細胞株の網羅的な探索より同定することを目標とする。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)