2020 Fiscal Year Research-status Report
アルギニンメチル化酵素PRMT5の心臓における機能解析
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20K15995
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
宮崎 雄輔 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (40803466)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 循環器 / 心肥大 / メチル化 / 機能制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全はあらゆる心疾患の最終像であり予後が非常に悪く、現在に至っても十分な治療法が開発されていない。我々の研究室ではこれまでにヒストンアセチル化酵素p300と心臓特異的転写因子GATA4からなるp300/GATA4経路が心不全発症に関与し、治療標的となることを見出した。我々はp300/GATA4経路の詳細な制御機構を明らかにするためGATA4複合体を網羅的に解析し、新規GATA4結合タンパク質としてアルギニンメチル化酵素PRMT5とその活性制御因子MEP50を同定した。本研究はアルギニンメチル化酵素PRMT5/MEP50複合体による心不全発症の分子機構解明と新規心不全治療法の開発を目的とする。 心臓における遺伝子転写制御機構へのPRMT5の詳細な役割を明らかにするために、我々は心臓特異的PRMT5ノックアウトマウスの心臓組織を用いて、マイクロアレイ解析を実施した。現在詳細な解析を進めており、先に実施した組織・形態の観察結果と合わせて絞り込みを行っている。これまでにノックアウトマウスの心臓で約400遺伝子の発現が2倍以上亢進、約500遺伝子の発現が半分以下に減少している。同時に心臓特異的PRMT5過剰発現マウスの心臓のマイクロアレイ解析も実施しており、ノックアウトマウスと比較も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による研究の中断や、マイクロアレイ解析で得られた候補遺伝子群が多く絞り込みに苦慮しており、予定よりやや遅れて進行している。しかし候補遺伝子群が絞れた後は培養細胞系を用いた基礎解析を行うため、その段階で取り戻せる程度と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレイ解析を進めPRMT5欠損によって心臓で変動する遺伝子群を特定し、その遺伝子群の転写制御機構を培養細胞系及び実験動物にて明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による研究の中断期間があったことと、マイクロアレイ解析に想定より時間がかかってしまい、基礎研究への着手が遅くなってしまったため。 次年度に培地、各種実験試薬、導入用の遺伝子作成、などに充てる。
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