2020 Fiscal Year Research-status Report
新規gymnosis関連分子Ly6aの解析とメカニズムの解明
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20K16001
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
高橋 昌幸 新潟薬科大学, 健康・自立総合研究機構, 助教 (30743778)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / Ly6a |
Outline of Annual Research Achievements |
1本鎖核酸医薬はリポフェクション試薬を使用せずに細胞内に裸のまま取り込まれ効果を発揮させることができる。この現象はgymnosisとも呼ばれている。最近の申請者の研究によって、gymnosisメカニズムの一部を解明するに至っているが、まだそのメカニズムには不明なところが多い。今回申請者は、これまで機能が不明であったLy6a(Lymphocyte antigen 6 complex, locus A)がgymnosisに関与することを示す手掛かりを掴むことができた。本研究ではLy6aの詳細な解析を行い、Ly6aが関与するgymnosisメカニズムの解明と、不明であったLy6aの機能の解明を行うことを目的とする。令和2年度では、研究方法・計画に記載されている(1)から(3)の実験を行った。まず、EGFPタグ付きLy6aをMEF(Mouse Embryonic Fibroblast)に過剰発現させて、細胞内局在解析を行ったところ、EGFP-Ly6aはMEFにおいては主に小胞体に局在していることが分かった。これまでの別のグループの解析により、Ly6aは細胞膜に主に局在しているということが明らかになっているため、我々の結果とは矛盾が生じている。今後は他の細胞内局在解析も行う必要があると考えられる。次に、内在性Ly6aノックダウンMEFでは、裸の蛍光1本鎖核酸が減少しているように見えることが観察された。また、miRNA-16を標的にしたアンチセンス核酸のアンチセンス効果が減少することも明らかになった。そして、Ly6a過剰発現MEFにおいては、裸の蛍光1本鎖核酸が増加しているように見えることが分かった。このことから我々は、Ly6a過剰発現MEFにおいてはアンチセンス効果が上昇することを予想した。その結果、Ly6a過剰発現MEFにおいては、僅かではあるがアンチセンス効果が上昇することも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度では、ほぼ研究計画書の年次計画通りに研究を遂行することができた。令和2年度の研究により、Ly6aが1本鎖核酸の細胞内取り込みに関与していることを示唆する結果を得ることができた。しかしそうであれば、Ly6aは細胞膜上に主に局在しているはずだが、細胞内局在解析によって、MEFにおいてLy6aは主に小胞体に存在していることが確認できている。過去の別のグループの研究との矛盾点を明らかにする必要もあるため、今後はさらに詳細な細胞内局在解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、計画通り年次計画の(4),(5)の解析を行っていく予定である。しかし、前述したようにLy6aの詳細な細胞内局在解析を行っていく必要もある。さらに共焦点蛍光顕微鏡解析によって、1本鎖核酸の細胞内取り込みの変化を確認しているが、蛍光顕微鏡ではあくまでも蛍光強度を解析するため、正確な1本鎖核酸の細胞内取り込み量を測定しているわけではない。よって、フローサイトメトリーを使用して1本鎖核酸の細胞内取り込み量を測定する必要もあると考えられた。今年度は実験計画の(2),(3)についてはフローサイトメトリー解析も行う予定である。
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