2021 Fiscal Year Annual Research Report
リアルワールドデータの応用による新規化学療法誘発末梢神経障害予防法の確立
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20K16007
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
相澤 風花 徳島大学, 病院, 特任助教 (80848367)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抗がん剤誘発性末梢神経障害 / オキサリプラチン / HMG-CoA還元酵素阻害剤 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
オキサリプラチン使用後には90%の高頻度で感覚異常が発現し、治療の長期化によって難治性のしびれや運動機能障害が生じる。現在、オキサリプラチン誘発性末梢神経障害に対する有効な治療薬は存在せず、対症療法のみにとどまっている。先行研究において、ヒト医療情報データベース解析によって、既承認薬にオキサリプラチン誘発性末梢神経障害抑制作用がある薬剤を見出した。本研究では、モデルマウスを作製し、予防・治療効果の検討と作用点の探索を試みた。 マウスへのシンバスタチンの反復経口投与はオキサリプラチンによる冷痛覚過敏に無効であったが、累積投与依存的に生じる機械的痛覚過敏の発症を予防した。また、オキサリプラチンによって発症後の冷痛覚過敏にシンバスタチンは無効であったが、機械的痛覚過敏の治療作用が認められた。 オキサリプラチン誘発性末梢神経障害には酸化ストレスによる細胞体障害が関与すると考えられている。グルタチオン-S-転移酵素(GST)はシンバスタチンによって発現変動することが報告されている。オキサリプラチン誘発性末梢神経障害モデルマウスにシンバスタチンとともにGST阻害剤であるエタクリン酸を投与すると、7日目に認めれられるシンバスタチンの機械的痛覚過敏抑制作用は完全に抑制された。また、同種同効薬2剤も同様に機械的痛覚過敏抑制作用がエタクリン酸によって消失した。 以上から、シンバスタチンを含むHMG-CoA還元酵素阻害剤は、抗酸化作用による神経保護作用を示す、新規薬理機序によって早期臨床応用可能な抗がん剤誘発性末梢神経障害治療薬となる可能性がある。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Identification of prophylactic drugs for oxaliplatin-induced peripheral neuropathy using big data2022
Author(s)
Zamami Y, Niimura T, Kawashiri T, Goda M, Naito Y, Fukushima K, Ushio S, Aizawa F, Hamano H, Okada N, Yagi K, Miyata K, Takechi K, Chuma M, Koyama T, Kobayashi D, Shimazoe T, Fujino H, Izawa-Ishizawa Y, Ishizawa K.
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Journal Title
Biomedicine & Pharmacotherapy
Volume: 148
Pages: 112744-112744
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 既存承認薬を活用した化学療法誘発末梢神経障害に対する支持療法の確立2021
Author(s)
相澤風花, 座間味義人, 新村貴博, 川尻雄大, 合田光寛, 八木健太, 中馬真幸, 濱野裕章, 石澤有紀, 櫻田巧, 桐野靖, 石澤啓介
Organizer
第14回緩和医療薬学会年会
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[Presentation] 医療ビッグデータを基盤とした迅速かつ安全ながん支持療法の開発2021
Author(s)
相澤 風花, 梶本 春奈, 森山 大嗣, 新村 貴博, 合田光寛, 新田綾香, 高橋志門, 濱野裕章, 八木健太, 石澤有紀, 座間味義人, 石澤啓介
Organizer
第31回日本医療薬学会年会