2020 Fiscal Year Research-status Report
イメージング質量分析技術を用いたOCT-2基質薬物の内耳動態の可視化
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20K16017
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
山口 太郎 摂南大学, 薬学部, 講師 (30710701)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内耳 / 薬物動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全身投与後のOCT-2基質薬物の内耳動態を包括的に明らかにすることを目的とし、難聴に対する医薬品創出を目指すものである。 2020年度は、OCT-2基質薬物の標的細胞への分布過程に関する解析を実施するための各種条件設定を行った。未処置マウスの蝸牛を摘出し、固定・脱灰処理を行った。得られた標本から切片を作成し、イメージングMSに用いるマトリックスのを選定した。得られた結果から最適なマトリックスをメトホルミンの測定を実施したところ、蝸牛組織におけるメトホルミンの測定が十分に可能である結果が得られた。しかしながら、蝸牛の固定・脱灰処理時に投与されたメトホルミンの漏出が生じる可能性が示唆された。このことから固定・脱灰処理を行わず、イメージングMSを行うための条件を探索した。未処置マウスから摘出した蝸牛を凍結し、未固定・未脱灰の状態で切片を川本法にて作成した。蝸牛にはOCTコンパウンド流入させる群と軽牧師メチルセルロースを流入させる群、何も流入させない群とで比較したところ切片のクオリティはいずれも大きな違いはみられなかった。次にメトホルミンを投与した動物および非投与の動物においてイメージングMSを実施した。その結果、非投与群ではメトホルミンを示すピークは検出されず、投与群においてのみメトホルミンのピークが検出されることが明らかとなった。現在、そのデータの解析および例数の追加を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験条件の設定に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度得られた結果を基に、結果を吟味し、より詳細な薬物動態の解析を実施する。 また、阻害剤等を用いることで、薬物動態が阻害されるかなど結果の妥当性を吟味する。
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Causes of Carryover |
大きな予定変更を余儀なくされたため当初計上していた予算編成と異なったため。
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