2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on the mechanism of SIRT1 activation by cinnamoyl derivatives in beige adipogenesis
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20K16018
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
澤本 篤志 松山大学, 薬学部, 特任助教 (70760388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シンナモイル誘導体 / ベージュ脂肪細胞 / SIRT1 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにシンナモイル誘導体“N-Caffeoyltryptophan(NCT)”がマウス繊維芽細胞3T3-L1の分化初期段階において,SIRT1を活性化することを明らかにしている.今年度はNCTによるSIRT1活性化機構の探索を行った.SIRT1活性の制御機構として,核-細胞質間輸送によるSIRT1細胞内局在の変化が報告されている(Tanno et al., J. Biol. Chem. 2006).SIRT1細胞内局在は細胞種によって異なることから,まず,3T3-L1のSIRT1細胞内局在について調べた.3T3-L1では,核および細胞質にSIRT1が発現しており,核内に比べて細胞質のSIRT1発現量が多かった.次に,分化初期段階においてNCTがSIRT1細胞内局在に及ぼす影響について調べたところ,NCTは分化初期段階において核および細胞質のSIRT1発現量に影響しなかった.また,SIRT1の核-細胞質間輸送に関与するPI3K/AktおよびcAMP/PKAシグナル伝達経路に影響を及ぼさないことを確認した.以上の結果より,NCTによるSIRT1活性化作用はSIRT1細胞内局在の変化に起因するものではないことが示唆された.次に,分化初期段階においてNCTにより活性化されるシグナル伝達経路の探索を行った.その結果,NCTはmTORC1/S6KおよびMAPK/ERKシグナル伝達経路を活性化することが分かった.現在,NCTによるこれらのシグナル伝達経路の活性化とSIRT1活性との関連性について,詳細な検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分化初期段階においてNCTが特異的に活性化するシグナル伝達経路を見出した.現在は,これらのシグナル伝達経路の活性化とSIRT1活性との関連性について詳細な検討を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り, 次年度もNCTのSIRT1活性化機構の解明を行う.並行して,マウス鼠径部白色脂肪組織由来の前駆脂肪細胞を用いて,NCTのベージュ化誘導作用の検討を行う予定である.
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