2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the mechanism of SIRT1 activation by cinnamoyl derivatives in beige adipogenesis
Project/Area Number |
20K16018
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
澤本 篤志 松山大学, 薬学部, 准教授 (70760388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シンナモイル誘導体 / ベージュ脂肪細胞 / SIRT1 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに,シンナモイル誘導体”N-Caffeoyltryptophan(NCT)”の脂肪細胞分化促進作用にMAPK/ERKシグナル伝達経路の活性化が必須であることを明らかにしている.本年度は,NCTが脂肪細胞の糖取り込み能に及ぼす影響,マウス耐糖能に対する効果,ベージュ化とMAPK/ERKシグナル伝達経路およびSIRT1の関与について,3T3-L1細胞を用いて検討した.NCT処理を施しながら分化させた3T3-L1脂肪細胞では糖取り込み能が著しく亢進した.また,NCT(30 mg/kg)を7日間腹腔内投与したマウスでは耐糖能の改善が認められた.NCTの脂肪細胞分化促進作用に対するSIRT1の関与についてRNA干渉法で検討したが,SIRT1-siRNA導入3T3-L1細胞ではNCTによる脂肪細胞分化促進作用が認められなかった.以上の結果より,NCTは脂肪細胞の分化とグルコース取込みを促進することにより,耐糖能を改善する可能性が示唆された.これは,NCTがMEK/ERKシグナル伝達およびSIRT1を介して,脂肪細胞のエネルギー貯蔵能を亢進させることに起因するものと考えられた.
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