2022 Fiscal Year Annual Research Report
Screening for anoctamin1 inhibitor from Japanese traditional medicines
Project/Area Number |
20K16030
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中森 俊輔 北里大学, 薬学部, 助教 (30631642)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Anoctamin1 / 生薬・漢方薬 / 阻害 / 鎮痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
感覚神経などに発現し疼痛の惹起に関与しているTransient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)受容体の疼痛シグナルを増強する分子として、Ca2+活性化Cl-イオンチャネルのAnoctamin 1(ANO1)受容体が報告された。そこで、本研究ではANO1阻害作用を有する漢方薬や生薬、およびその有効成分の探索のためのスクリーニング系を構築する。さらに、見出したANO1阻害作用を有する試料の鎮痛作用を解析し、新規鎮痛薬開発を目標にしている。 前年度までは、ヒトANO1受容体安定発現細胞株の樹立および膜電位感受性蛍光色素を用いて、パッチクランプなどの手法に比べスループットを改善した評価系を構築し、128種類の医療用漢方製剤のANO1受容体阻害活性を測定した。2022年度では、前年度までに評価した医療用漢方製剤128種類のスクリーニング結果から、漢方薬のヒトANO1受容体阻害作用に寄与する生薬の推定を実施した。 一方で、これまでに構築してきた評価系では、カルシウムイオン選択的なイオノフォアのionomycin処理によって、細胞内カルシウム濃度上昇を惹起しヒトANO1受容体を活性化してきたが、ionomycin処理による問題点が明らかになった。具体的には、高濃度のionomycin処理ではANO1の典型的な阻害剤であるAni9によってほとんど阻害作用が確認されず、低濃度のionomycinではAni9で阻害されるがANO1活性化能が弱く再現性を得ることが難しい点が挙げられた。そこで、ANO1を活性化させるためにionomycinに代わり細胞内カルシウム濃度上昇を引き起こす内因性の受容体などに対するアゴニストを数種類検討した結果、ATP処理の有効性が確認された。そこで、現在ATPを用いた再評価等を実施している。
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