2020 Fiscal Year Research-status Report
セリンプロテアーゼ制御によるマルチターゲット作用を活用した新規AKI治療法の確立
Project/Area Number |
20K16047
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
成田 勇樹 熊本大学, 病院, 助教 (40614665)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | セリンプロテアーゼ / AKI / マルチターゲット作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では,新規透析導入患者の抑制が重要な医療課題となっている。近年,急性腎障害 (AKI) が原因で透析導入に至る症例が慢性腎臓病症例よりも圧倒的に多いことが明らかとなり,AKI 対策が必要不可欠とされている。しかしながら,現在の AKI 治療は対症療法が中心となっており,確立された治療法は存在しない。本研究課題では,“セリンプロテアーゼの制御によるマルチターゲット作用を活用した新規 AKI 治療法を確立すること”を目的としている。 本年度は,「AKIモデル動物へのCMの投与により,腎組織で発現量変化が生じるセリンプロテアーゼを同定する」ことを目的に検討を行った。8週齢の雄性C57BL/6マウスを Control 群,AKI (LPS:12.5mg/kg, ip) 群およびAKI+CM (LPS投与 3 日前よりCM 250mg/kg/回を1日2回経口投与)群に分け,LPS 投与 24 時間後の摘出した腎組織中で発現量変化が生じているセリンプロテアーゼの同定を試みた。しかしながら,CM による AKI の抑制効果が認められ,Zymographyにおいてセリンプロテアーゼの検出はできたものの,腎組織中で発現量変化が生じているセリンプロテアーゼの同定には至っていない。一方,AKI 群で BUN 上昇、腎 NGAL 発現亢進を認め、AKI+CM群で有意な改善を認めた。また、AKI 群で亢進した炎症 (IL-6) および酸化ストレス (DHE染色) マーカーが,AKI+CM 群で抑制されていることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,「AKIモデル動物へのCMの投与により,腎組織で発現量変化が生じるセリンプロテアーゼを同定する」ことを目的に研究を進めてきたが,新型コロナウィルス感染症の影響もあり研究計画に遅れが生じ始めている。この点を鑑みて,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
腎臓で活性化されたセリンプロテアーゼは,最終的に尿中に排泄されることが明らかになっていることから,尿中のセリンプロテアーゼ活性を Zymography 法により解析する。また,Zymography 法のみでは同定が難しい可能性もあるため,Zymography法とLC-MS/MSを組み合わせた解析方法などに切り替え,腎及び尿中で活性化されたセリンプロテアーゼの同定を試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響もあり,研究計画に遅れが生じ始めたため,わずかながら残額が生じた。研究計画に遅れが生じた内容を次年度に実施するため、残額は次年度にて使用する。
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Research Products
(3 results)