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2020 Fiscal Year Research-status Report

NTCP,BSEP強制発現HepG2細胞を用いた薬剤性胆汁鬱滞型肝障害評価

Research Project

Project/Area Number 20K16051
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

堺 陽子  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教 (50723079)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords肝細胞 / 毛細胆管形成 / トランスポーター / 胆汁鬱滞肝障害 / マイクロ流体デバイス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、hNTCP強制発現株にヒトBSEPを強制発現させたHepG2-hNTCP-hBSEP-C4細胞を作製する。また、それを用いた胆汁鬱滞型肝障害試験法の開発を行い、毒性評価系への応用を可能にすることを目的とする。これまでに申請者は、薬剤添加によって胆汁酸の輸送にかかわるトランスポーターの機能が変動することで起こる胆汁鬱滞性肝障害に着目し、薬剤性胆汁鬱滞型肝障害試験法の開発を行った。そして、胆汁酸取り込み・排泄トランスポーターの機能の備わった細胞の構築が重要であると思った。
まず、ヒトBSEP強制発現プラスミドの作製を試みたが、BSEP塩基配列に誤った遺伝子の置換、欠損が認められたため、HepG2-hNTCP-C4細胞への導入には至らなかった。そこで、ヒトBSEPアデノウイルス発現ベクターを購入し、HepG2-hNTCP-hBSEP-C4細胞の作製を行う予定である。
デバイスプレートを用いた灌流実験では、現時点で最も機能が高いと考えられているヒト凍結肝細胞(HPHs)を用いて適切な条件設定を行った。このデバイスプレートは、肝細胞播種部分がフラット(パターニングなし)またはスフェロイドを形成して(パターニングあり)培養が行える工夫が施されている。パターニングありデバイスプレート上でのHPHsは、ロット(HC10-10、HC3-30)によってスフェロイド形成能が異なることが示唆された。さらに、Swiss 3T3 Albino細胞と共培養したHPHsのスフェロイド形成は、より強固なものであり、灌流にも耐えられた。また、パターニングなしのデバイスプレートにおいて、検討した条件下、経日的に毛細胆管様構造が認められた。そこで、トランスポーターのタンパク発現並びに機能測定を行った。しかし、デバイスプレートの材質や測定法が不十分なため、鮮明な画像が取得できず、今後の検討課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ヒトBSEP強制発現プラスミドの作製に時間を要したが、作製できなかった。また、デバイスプレートの改善に時間を要したため。

Strategy for Future Research Activity

ヒトBSEPアデノウイルス発現ベクターを購入し、HepG2-hNTCP-hBSEP-C4細胞の作製を行う予定であるが、不可能であった場合は、ヒト凍結肝細胞(HPHs)やPXBマウスから分離された新鮮ヒト肝細胞であるPXB細胞を用いた胆汁鬱滞肝障害試験を行う。
デバイスプレートを用いたHPHs培養に対する免疫染色法は、胆汁酸取り込み・排泄型トランスポーターの一次抗体の濃度検討から行う。また、蛍光画像を取得可能なデバイスプレートであることを確認するために、HepG2細胞を用いて、Multi-drug resistance protein 2(MRP2)を染色する。また、トランスポーターの機能測定法は、蛍光基質であるTauro-nor-THCA-24-DBDや5 (and 6)-Carboxy-2’,7’-dichlorofluorescein diacetate (CDFDA)で処理したHPHsを顕微鏡で観察し評価するだけでなく、細胞を溶解した際に放出される蛍光量をマイクロプレートリーダーにて測定する方法も視野に入れて、検討する。
HPHsやPXB細胞を培養したデバイスプレートの培地を灌流する際に、暴露する胆汁酸濃度は、論文に記載のあるヒト血清胆汁酸濃度の150倍で検討する予定である。また、HPHsやPXB細胞に対する毒性感度の結果から、よりヒト血清濃度に近い胆汁酸濃度での曝露が可能かを検討する。その後、外部からヒト血清濃度の胆汁酸と肝障害を引き起こす薬剤であるCyclosporin Aを同時に添加し、培地中の乳酸脱水素酵素(LDH)漏出にて肝毒性評価を行い、薬剤性胆汁鬱滞型肝障害評価系の開発を行う。

Causes of Carryover

コロナ禍により製品の搬入に時間を要するため、製品の購入を控えていた。そのため、次年度に繰り越しが生じた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 初回通過効果の評価を行うための小腸肝臓2臓器連結デバイスの有用性2021

    • Author(s)
      深谷壮弥, 堺 陽子, 松村将成, 徳島優樹, 岩尾岳洋, 松永民秀
    • Organizer
      細胞アッセイ研究会シンポジウム
  • [Presentation] サンドイッチ培養したHepG2-hNTCP-C4細胞による胆汁鬱滞肝毒性評価2020

    • Author(s)
      堺 陽子, 奥村啓樹, 岩尾岳洋, 渡士幸一, 伊藤晃成, 松永民秀
    • Organizer
      第27回HAB研究機構学術年会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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