2021 Fiscal Year Annual Research Report
EGFR阻害剤による皮膚障害抑制を目指した光に安定な活性型ビタミンK誘導体の開発
Project/Area Number |
20K16066
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
後藤 将太朗 福岡大学, 薬学部, 助教 (70825108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EGFR阻害剤 / 皮膚障害 / ビタミンK / GGCX / プロドラッグ / 光安定性 / 光毒性 / CCL5 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とした薬剤は、皮膚障害の副作用が高頻度で出現する。ビタミンK(VK)の局所製剤が皮膚障害の予防効果を示すことが報告されたが、VKは光に不安定かつ光毒性の欠点があった。さらに、皮膚障害抑制機序についても未だ不明なままである。 前年度までに、申請者はVKの活性体であるVKヒドロキノン(VKH)の誘導体が、VKの光問題を改善でき、ヒト表皮角化細胞株(HaCaT細胞)へのVKH送達性も高いことを明らかにした。本年度は、細胞内VKH送達性が特に高かったVK2であるMenaquinone-4(MK-4)とMenahydroquinone-4 (MKH) の誘導体MKH-1,4-bis-N,N-dimethylglycinate hydrochloride(MKH-DMG)および MKH-1,4-bis-hemi-succinate(MKH-SUC)を用いて、EGFR阻害剤により誘発される炎症性分子に対する評価を行なった。 EGFR阻害剤として、Gefitinib, Erlotinib, Cetuximabを使用したところ、いずれの薬剤も炎症性ケモカインC-C motif chemokine 5(CCL5)の発現を増加させた。MK-4およびMKH誘導体の予防的処理は、CCL5発現の増加を抑制し、MKH誘導体の効果はMK-4と同等以上であった。 次に、CCL5発現にVKHが関与するかを検討するため、VK依存性タンパク質(VKDP)の翻訳後修飾(Gla化)に必要な酵素、γ-Glutamyl carboxylase(GGCX)に着目した。GGCXは補因子としてVKHが必須である。そこで、GGCXをノックダウンし、Gla化を抑制した結果、CCL5の発現が増加した。このことから、CCL5発現の制御には、GGCXを介したVKDPのGla化が関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] ケモカインCCL5発現抑制剤2022
Inventor(s)
髙田, 松永, 加留部, 松尾, 古賀, 瀬戸口, 後藤
Industrial Property Rights Holder
髙田, 松永, 加留部, 松尾, 古賀, 瀬戸口, 後藤
Industrial Property Rights Type
特許
Industrial Property Number
2022-03736