2023 Fiscal Year Annual Research Report

The effects of immune checkpoint inhibitors on allergic symptoms by anticancer drugs

Research Project

Project/Area Number	20K16076
Research Institution	Osaka University
Principal Investigator	廣部祥子大阪大学, 大学院薬学研究科, 講師 (70644582)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords	インフュージョンリアクション / リツキシマブ / 免疫チェックポイント阻害薬 / 抗体医薬品 / バイオシミラー
Outline of Annual Research Achievements	本年度は、抗がん剤によるアレルギー症状に関する研究について、下記のような結果を得た。 1) 抗体医薬品によるインフュージョンリアクションの発現率が高いリツキシマブについて、現在国策としてバイオシミラー製剤の使用が推進されている。リツキシマブのバイオシミラー製剤についてインフュージョンリアクションの発現実態を調査し、先発品と同様に疾患によって発現状況・リスク因子が異なる可能性を見出した。また、先発品とバイオシミラー製品では抗体の糖鎖付与などが異なっており、in vitro試験における細胞傷害時の免疫学的反応を比較評価すべく、評価系を検討した。 2) 免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブの投与早期に発現する副作用と免疫関連有害事象の関連性を解析し、早期に倦怠感や悪寒が発現した症例では肺関連症状が出現するリスクがあることが示唆された。 3) ペルツズマブ、トラスツズマブおよびタキサン系薬剤による治療におけるアレルギー症状の出現について予防のための支持療法薬の影響を検証し、支持療法薬を減薬しても副作用の発現頻度は有意に増加しないことを明らかにした。一方、症状によっては発現率や重症度が変化している可能性が示唆された。本研究課題では、研究期間全体を通じて、以下に示す成果を得た。リツキシマブによるインフュージョンリアクションについて、疾患ごとの発現に関連する因子を明らかにするとともに、2回目投与以降の副作用発現を予防策の手法について詳細に解析し、副腎皮質ステロイドの強化が重要であることを示した。また、免疫チェックポイント阻害薬の実臨床におけるインフュージョンリアクション、早期副作用の発現実態を明らかにし、リスク因子を見出すとともに、標的分子が同じ抗体でも抗体分子の特徴の違いによりインフュージョンリアクションの発現率や重症度が異なる可能性を見出した。