2020 Fiscal Year Research-status Report
ドラッグ・リポジショニングによるCYP2J2を標的とした新規がん治療薬の開発
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20K16091
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田島 正教 昭和大学, 薬学部, 助教 (70453412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CYP2J2 / ドラッグ・リポジショニング / がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存医薬品がCytochrome P450(CYP)2J2阻害を介した新たな作用メカニズムの抗がん剤になりうるかを明らかにするために実施している。CYP2J2阻害作用が認められたBromhexine、Cloperastin、Noscapine、Tipepidineを用いて、ヒト株化細胞(肺癌細胞A549、肝癌細胞HepG2)における細胞増殖に及ぼす影響を調べた。検討した4成分とも細胞増殖を抑制したが、どちらの細胞においてもCloperastinが最も強い作用を示すことが分かった。さらにIC50を検討したところ、A549では32.7 μMであり、HepG2では14.3 μMであった。また、アポトーシスの関与を明らかにするために、カスパーゼ阻害薬であるZ-VAD-FMKを処置したところ、Cloperastinの効果にはほとんど影響はみられなかった。CloperastinのCYP2J2阻害作用の詳細をリコンビナントCYP2J2タンパク質、astemizole(基質)を使用して調べた。Lineweaver-Burk plot と Dixon plotを作成し、CloperastinのCYP2J2阻害様式を検討したところ、非競合阻害であり、阻害定数Ki値は14.1 μMと考えられた。 今後はCloperastinの抗腫瘍作用がCYP2J2阻害によるものか生体内基質・代謝物の濃度を調べるとともに、in vivoにおいても抗腫瘍作用を示すのかマウスを使用して調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に計画した部分はおおむね実行できてはいるが、COVID-19の全世界的な蔓延により、試薬や器具などの調達に時間を要したこと、また緊急事態宣言による制限や臨床現場の補助業務などにより予定した研究時間の確保ができず、一部に遅れが出ている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
癌細胞内のCYP2J2を阻害し細胞増殖を抑制しているのか、細胞内のepoxyeicosatetraenoic acidsを測定し、メカニズムについて解明する。 腫瘍移植マウスを作成し、in vivoでの効果を調べる。癌細胞移植の翌日からCYP2J2阻害薬を経口投与し、1週間毎に腫瘍の大きさを測定する。28日経過後、腫瘍の摘出を行い、抗腫瘍効果の判定を行う。また、解剖時に採血を行い、血球計数装置ベトスキャンHM5(Abaxis社製)にて血球計算を実施する。さらに血液生化学(ALT、AST、Cr、BUN)検査を行い、有害事象の評価をする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の全世界的な蔓延により、試薬や器具などの調達に時間を要したこと、また緊急事態宣言による制限や臨床現場の補助業務などにより予定した研究時間の確保ができず、研究の一部に遅れが出ている状況であるため。
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