2021 Fiscal Year Research-status Report
ドラッグ・リポジショニングによるCYP2J2を標的とした新規がん治療薬の開発
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20K16091
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田島 正教 昭和大学, 薬学部, 講師 (70453412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CYP2J2 / ドラッグ・リポジショニング / がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存医薬品がCytochrome P450(CYP)2J2阻害を介した新たな作用メカニズムの抗がん剤になりうるかを明らかにするために実施している。CYP2J2阻害作用が認められたBromhexine、Cloperastin、Noscapine、Tipepidineを用いて、ヒト株化細胞(肺癌細胞A549、肝癌細胞HepG2)における細胞増殖に及ぼす影響を調べた。前年度の研究においてCloperastinが最も強い作用を示すこと、またCloperastinのCYP2J2阻害様式は非競合阻害であることを明らかにしている。 今年度はCloperastinが正常細胞に与える影響とin vivoでの効果の検討を行った。その結果、Cloperastinは正常細胞への影響は少なく、癌細胞特異的に増殖を抑制する可能性が考えられた。また、in vivoでの効果の検討のために、Xenograftモデルの作成を試みたが、安定的に作成できず時間を要してしまった。今後は移植する癌種の変更も含めXenograftモデルの検討を行い、in vivoでの研究を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の全世界的な蔓延・物流の遅延により、必要な試薬の調達に時間を要したこと、また手に入らないことから実験方法の変更を余儀なくされた。 臨床現場の補助業務などにより予定した研究時間の確保ができず、一部に遅れが出ている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍移植マウスを作成し、in vivoでの効果を調べる。癌細胞移植の翌日からCYP2J2阻害薬を経口投与し、1週間毎に腫瘍の大きさを測定する。28日経過後、腫瘍の摘出を行い、抗腫瘍効果の判定を行う。また、解剖時に採血を行い、血球計数装置ベトスキャンHM5(Abaxis社製)にて血球計算を実施する。さらに血液生化学(ALT、AST、Cr、BUN)検査を行い、有害事象の評価をする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の全世界的な蔓延により、試薬や器具などの調達に時間を要し、研究に遅れと変更が生じた。特に動物実験において変更が余儀なくされた。助成金の残りは、主に動物実験関係に使用していく。
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Research Products
(1 results)