2023 Fiscal Year Annual Research Report
ドラッグ・リポジショニングによるCYP2J2を標的とした新規がん治療薬の開発
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20K16091
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田島 正教 昭和大学, 薬学部, 講師 (70453412)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CYP2J2 / ドラッグ・リポジショニング / がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存医薬品がCytochrome P450(CYP)2J2阻害を介した新たな作用メカニズムの抗がん剤になりうるかを明らかにするために実施した。がん細胞においてCYP2J2が高発現し、細胞の増殖に関与していることが報告されている。そこでCYP2J2阻害作用が認められたBromhexine、Cloperastin、Noscapine、Tipepidineを用いて、ヒト株化細胞(肺癌細胞A549、肝癌細胞HepG2)における細胞増殖に及ぼす影響を調べた。検討した4成分とも細胞増殖を抑制したが、どちらの細胞においてもCloperastinが最も強い作用を示すことが分かった。また、IC50を検討したところ、A549では32.7 μMであり、HepG2では14.3 μMであった。さらに、Cloperastinが正常肝細胞に与える影響を調べたところ、正常細胞への影響は少なく、癌細胞特異的に増殖を抑制すると考えられた。 一方、CloperastinのCYP2J2阻害作用の詳細をLineweaver-Burk plot と Dixon plotを作成することにより調べた。その結果、非競合阻害であり、阻害定数Ki値は14.1 μMと考えられた。 Cloperastinのin vivoでの効果をHepG2を使用したXenograftモデルにより検討した。その結果、Cloperastin投与群において腫瘍増大の抑制作用が認められた。また、血液中の赤血球・白血球・血小板数はControl群と比較し変化はなく、ALT、AST、Cr値も変化はないことから有害事象はないものと考えられた。In vitroおよびin vivoの結果から、CYP2J2阻害薬は正常細胞への影響は少なく、癌細胞特異的に細胞増殖抑制作用を示し、新たな作用メカニズムの抗がん剤になりうると考えられた。
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