2020 Fiscal Year Research-status Report
in vivo環境における分裂期オルガネラの3Dダイナミクス解明
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20K16109
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
久住 聡 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00758039)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分裂期オルガネラ / 走査電子顕微鏡 / 連続切片SEM法 / 光電子相関顕微鏡法 / オスミウム浸軟法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、下垂体前葉プロラクチン産生細胞(PRL細胞)と膵腺房細胞において、主に走査電子顕微鏡(SEM)を用いた分裂期細胞の3D形態解析を行った。 ①オスミウム浸軟法によるSEM観察:本手法では、オスミウムによって可溶性蛋白質を取り除くことで、細胞小器官の3D構造をダイレクトに観察することが可能である。特に、凍結準超薄切片を用いたSEM-CLEM法(Koga et al., 2015)では、これらの3D像に免疫組織化学的な細胞の同定や機能分子局在情報を結び付けることができる。その結果、分化細胞のゴルジ装置が分裂期中期においてスタック構造を保っていることが明らかになった。 ②連続超薄切片による3D解析:オスミウム浸軟法で得られた結果をもとに、分裂期における分化細胞のゴルジ装置がその全体像をどのように変化させるのか詳細に解析するため、連続超薄切片による蛍光3DイメージングとSEM立体再構築法による3D微細形態解析を行った。これらの手法では、細胞内全体におけるオルガネラ動態を三次元的に解明することが可能である。その結果、間期では一つのまとまった構造を示すゴルジ装置が、分裂期中期ではいくつかのパーツに分離していることが示された。さらに、それぞれのパーツをSEM観察すると、オスミウム浸軟法の結果と同様に、ゴルジ層板のスタック構造を保持していることが明らかとなった。 以上の結果は培養細胞とは明確に異なっており、分化細胞のゴルジ装置が分裂期でも機能を保持している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、生体内で分化・成熟した細胞にみられる細胞分裂において、先端的な3Dイメージング技法を駆使して、その細胞小器官の動態と機能的意義を明らかにすることを目的としている。そこで2020年度では、下垂体前葉PRL細胞と膵腺房細胞における分裂期の細胞動態を3D解析した。具体的には、①オスミウム浸軟法によるSEM解析、②連続超薄切片による3Dイメージング、について順調に計画が遂行されており、特に分化細胞ではゴルジ装置の分裂期動態が培養細胞とはかなり異なることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
分化細胞のゴルジ装置において、分裂期の機能分子動態を三次元的に解析し、その機能的意義を明らかにする。具体的には、連続超薄切片の蛍光3Dイメージングで得られた結果と、SEM立体再構築像を組み合わせることで、電顕レベルの3D微細構造解析に対してより正確な機能分子局在情報を結び付ける新たな3D CLEM法の開発を行う。これにより、分裂期においても保たれるゴルジ装置のスタック構造が、その極性や機能を有しているのか詳細に検討する。手法の開発に際しては、蛍光免疫染色と微細構造保持の両立のため、包埋前の前処置を低濃度の四酸化オスミウムとリンタングステン酸により行う予定である。 さらに、ゴルジ装置以外の細胞小器官についても引き続き解析を行うとともに、間期の細胞との比較解析を行うことで、細胞ごとの分裂期ダイナミクスのメカニズムを詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
購入予定の薬品が2020年度内に購入できなかったことによる。次年度使用額については、2021年度内に物品費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)