2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K16114
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小池 太郎 関西医科大学, 医学部, 助教 (00735590)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 一次感覚ニューロン / 脊髄神経節 / 機械受容ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CD34に陽性を示す一次感覚ニューロンが、古典的ニューロンマーカーに陽性を示さない事から新規ニューロンと位置づけ、その役割を生理的および病理的条件下において追究する事を目的としている。報告者はこれまでにCD34がTH陽性C線維機械受容ニューロンに局在する事を見出していた。 2022年度の実績:CD34および2種類のC線維機械受容ニューロンマーカー(TH、vGluT3)の3重免疫組織化学の結果、CD34はTH陽性ニューロンよりvGluT3陽性ニューロンで高頻度に発現する事を突き止めた。当該ニューロンの末梢及び中枢の投射先を解析するため、CD34-Creマウスの凍結精子から人工授精にて個体を作製した後、Cre依存的にEGFPを発現させるアデノ随伴ウイルス(AAV PHP.S Syn-FLEX-EGFP)を髄腔投与にて感染させた。しかし、CD34陰性ニューロンにおいてEGFPが発現していたことから、この系を用いての解析を断念した。免疫組織化学実験では、CD34は脊髄後角第Ⅱ層深層に認められ、無毛部皮膚からのニューロン投射部位である正中側には認められなかった。無毛部皮膚を支配する一次感覚ニューロンをAAVにて標識したところ、脊髄において標識ニューロンとCD34は局在を別にした。 マーカーと脊髄投射部位から、当該ニューロンはvGluT3陽性C線維機械受容ニューロンの新たなマーカーとなること、無毛部皮膚には分布しないことが明らかとなった。 今後の展開:遺伝子組換え動物を用いた細胞標識が困難であるため、組織学的解析により当該ニューロンの機能を追究する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子組換え動物の作製および繁殖に時間を要したため。TH、vGluT3およびCD34の3重染色が上手くいかず、条件検討に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
疼痛モデル動物を作製し、当該ニューロンにおいて発現量が変化していそうな遺伝子の発現量をin situ hybridizationおよび免疫組織化学にて半定量的に検出する。同時に、レーザーマイクロダイセクションで当該ニューロンを抽出し、qRT-PCRにて発現量を定量する。
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Causes of Carryover |
実験動物の維持費および実験の条件検討に時間を費やしたため、購入する物品が少なく、次年度使用が生じた。次年度使用額は、疼痛モデル動物の作製と遺伝子発現解析のための消耗品の購入に充てる。
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